| 研究概要 |
本研究では,ワイヤレスセンサネットワーク(WSN)プロトコルの設計開発を支援する技法を開発している.同技法では,特定のアーキテクチャや開発言語に依存しない抽象度の高い形でモデリング可能なWSN用システムモデル,設計開発を複雑化するファクターを開発者に意識させることなくセンサーノードの振舞いを規定することを可能とする自動設計アルゴリズム,さらにはそれを容易に性能評価可能なシミュレーションシステムを備える.今年度はこれまでに開発したWSNシステムモデルと自動設計アルゴリズムを元に,WSN実装および性能評価の支援手法を開発した.また,それをもとにWSN設計開発支援システムの設計開発を行っている.具体的には,シミュレーションと実環境実験のシームレス連携機構の設計拡張,シミュレーションシステムの効率化,WSNプロトコル設計開発試行による機能検証,設計したプロトコルの性能評価による自動設計アルゴリズムの評価と改善などを実施している.実機実験は通常,小規模WSNに限られることから,小規模WSNに対してはより現実性が高い実機実験を実施し,現実環境から得られる情報を用いて,大規模WSNの計算機シミュレーションの現実再現性を向上し,実環境とシミュレーション環境のシームレスな連携を可能とするアプローチなどを採用している.これらの手法に基づくWSN設計開発支援システムの基本コンポーネント設計と実装を行い,それを活用して位置情報や人の行動・環境センシングシステムの設計開発を行うことで,そのような応用アプリケーションに対する提案技術の有効性を評価している.
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