研究概要 |
本研究では,ユビキタス環境におけるコンテキストを考慮したトレーサビリティの概念を,理論的および実証的に研究する.そこで,現実のコンテキスト,つまりおかれた状況に関する情報を用いてトレーサビリティを向上することを目指す. 本年度は,トレーサビリティモデルの入力となる現実の事象を収集し,解析するためのシステムを作った.また実際に多くのデータを集めた.無線通信およびデータ蓄積機能を持つ無線センサデバイスを用いて,加速度センサデータをインターネット上のサーバに送信し蓄積するシステムを開発した.また端末を多くの被験者に配布し,実生活上の行動データを大量に収集した. また,図書館や予防医療分野といった応用分野を対象に実際のセンサデータを収集した.図書館においては書籍の本の自動認識において精度向上を達成した.また予防医療においては生活習慣コンテキストの自動判別技術に取り組み,特に大規模な実生活のデータにおいてノイズ除去や未知の行動などの新たな課題があることがわかった.これらは学会発表を行った. これらの研究成果は,トレーサビリティ向上のためのコンテキスト情報の推定のために有用であると考えられる.
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