研究課題
平成23年度は、前年度に引き続き、高速フォーカスビジョンの構築と、映像制御手法の開発とを進めた。また、本研究を一層加速する新たな要素技術である高速視線制御装置も積極的に利用し、これを含む形で研究の枠組みを広げて、応用用途の開拓を行った。平成23年度の主要成果は次の通り。(1)高速可変焦点レンズを要素とするカメラ光学系に高速ビジョンセンサと画像処理用計算機を組み合わせて高速フォーカスセジョンシステムを試作した。これによりフォーカスの高速制御と高速画像計測・処理が可能となった。(2)高速に焦点距離を走査しながら高速に画像を計測することで、複数の焦点距離における時系列動画像を得ることができる。これにより得られる画像系列を焦点スキャン画像群と呼び、これから運動対象の三次元的な運動を比較的少ない計算量で得ることができる3次元オプティカルフローアルゴリズムを構築し、実験からその有効性を確かめた。(3)焦点スキャン画像群を処理することで、後から、撮像時とは異なる、焦点距離・絞り径で撮影した場合に得られる画像を合成するアルゴリズムを構築し、実験からその有効性を確認した。(4)ダイナモルフレンズを2枚用いることで高速ズーム制御光学系を構築した。また、実験からその基礎的特性を計測し、ズーム比の高速制御の基本的な特性を確認した。(5)高速視線制御装置を複数台組み合わせることで、運動対象の三次元計測を高速・高分解能で可能な新たなステレオビジョンシステムを開発し、その有効性を実験から確認した。
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映像情報メディア学会誌
巻: Vol.65, No.10 ページ: 1376-1380
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