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触覚・触感に基づくQOLテクノロジーの創出として、触診代替え用の触覚センサの開発ならびに点字読み取り用センサの開発について取り組んだ。触診代替え用センサでは、粗さ、硬さ、粘性ならびに突起形状の計測や、深部異常組織の発見など、触覚の多機能化を実現したセンサを目指し、今年度は、粗さ、硬さ、粘性の違いを識別するセンサシステムについて開発を行った。上記の各種状態の異なるサンプルについては、粗さについては精密研磨紙の転写を用いたシリコンゴム、硬さについてはヤング率の異なるシリコンゴムを作製した。また粘性の違いについては、シリコンゴムサンプルに対して皮膚用のローション等を塗り、その違いについてヒトの官能調査を行い確認した。センサ材料の一つであるPVDFを用いてヒトの皮膚感覚受容器であるマイスナー小体やメルケル触板の出力のように持続的な力に対応して応答する特長に着目し、PVDF出力の生データの値を時間に関して畳みこみ積分を行い、得られた値の時間平均値と官能検査結果の粘性感を比較したところ、強い相関があることが確認された。また形状の異なるものとして、曲率の異なるアクリル円柱を用意し、固体高分子SPEセンサで押し当てることによって得られる出力より曲率が計測可能であることを確認した。また、ヒトの指との触診を併用可能とする爪装着型の硬さ計測についても試作し、基礎特性を計測した。
また、高分子圧電材料を用いた点字読み取り用センサでは、一般の文字だけでなく一列目に点が存在しない特殊文字との組み合わせの判読について、センサの試作・改良等を含めて行った。製作されたセンサを用いて、一般文字と同様に特殊文字についても計測を行い、特徴の抽出ならびにその識別の信号処理方法について検討した。
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