研究概要 |
本研究では身体運動に関連する遺伝子発現制御のうち,とくに身体運動に起因するメカニカルストレス誘導性マイクロRNAによる転写後制御について解析することを目的とした. 本年度はマイクロアレイによる網羅的解析により,メカニカルストレス誘導性miRNAとして同定したmiR-23aに関して,miR-23aを強発現するトランスジェニックマウスを作製し,その表現系を解析した.この結果,昨年度報告したmiR-23aによるユビキチンリガーゼの転写後調節を介した骨格筋萎縮抑制が,動物個体においても認められ,マイクロRNAによる骨格筋萎縮抑制がin vivoでも機能していることが明らかになった(現在論文revise中).また,骨格筋におけるmiR-23の機能をさらに詳細に検討するため,miR-23a/bをターゲットしたキメラマウスの作製を試みた.miR-23aに関してはすでにキメラマウスが得られた.miR-23bに関して,ベクターコンストラクションは完了したものの,研究期間内にキメラマウスを得ることができなかった.また,メカニカルストレスがmiRNA発現を誘導するメカニズムを解析するためにmiR-23の5'上流ゲノム配列を取得しレポーターアッセイを行った.このレポーターは,いくつかの条件でmiR-23発現と同期したが,in vitroでのメカニカルストレスには応答しないため,メカニカルストレス反応性エレメントを欠いていると考えられた.
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