研究課題
平成21年度は、形状揺らぎ許容度の高いもつれ合い光子源の実現に向け再現性の良い量子リング構造作製を中心に検討した。量子リング構造では、大きく分けて1重、2重のリング構造がこれまで報告されているが、本申請では交換相互作用の効果を理論との比InAsドット成長後に制御されたごく薄いGaAsキャップ層でドットを部分的に埋め込み、ドット構成元素の外周方向への拡散を誘導して形成する方法によりリング構造の形成を試みた。成長ラン間の再現性の良いリング構造の作製のためには、ドット成長後のキャップ層厚の精密な制御が本質的に重要であり、RHEEDモニターを用いたキャップ層の高精度膜厚制御を実施した。リング構造の形成後、走査型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡による構造評価を行った結果、単一の量子リングに加えて2つのリングが接している結合量子リング構造の混在が確認された。このような結合量子リング構造は、2量子系として例えば制御ノットゲートへの応用等非常に興味深い機能を持つ可能性があり、準位間結合等の観測を予定している。一方、結合リングにおいて微細構造分裂を検証する場合には、純粋にリングとしての効果か、あるいは結合による効果かの判別が困難であることが検討の過程で判明した。そこで、InAs/InSb系によるリング構造形成も試みた。その結果、原料供給量の最適化によりドットではなくリング構造が形成される成長条件があることを見いだした。平成22,23年度ではこれらの量子リング構造の光学的特性を明らかにしていく。
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http://nanophoto.es.hokudai.ac.jp/