研究概要 |
前年度に報告した分解標識(デグロン)の小型化、効率化に関する成果はMolecular Cell誌に論文公表した(Kubota et al. Mol Cell, 2013)。前年度報告した、DT40細胞におけるMcm8とMcm9に関する機能解析の結果はMolecular Cell誌に論文公表された(Nishimura et al. Mol Cell, 2012)。また、私たちが開発したAID法を含むデグロン法の総説を公表した(Kanemaki. Pflugers Archive European Journal of Physiology,2013)。 ヒト培養細胞レベルでAID法を応用するためには、人工ヌクレアーゼを利用した遺伝子改変法TALENやCRISPRシステムの導入が不可欠である。私たちは、TALENおよびCRISPRコンストラクトを自分たちで設計、合成、活性評価する方法を確立した。さらに、作製した人工ヌクレアーゼによりU2OS細胞内で遺伝子改変にも成功した。現在、ヒト細胞でAIDにより、内在性遺伝子発現を自在にコントロールできる細胞株を作製中である。 これまで本研究費によるサポートにより、出芽酵母を用いたAID法の樹立、改良、そしてヒト細胞レベルにおける実際の利用までほぼ到達することができた。また、多くの結果を論文公表することができた。今後は、ヒト細胞レベルにおいて実際に利用するため、現在継続中のAID株樹立のためのスタンダードプロトコール作製、さらにはマウス個体レベルへの応用を計っていくことが大切であろう。
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