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2009 年度 実績報告書

チンパンジー社会における社会的カテゴリーとそれをめぐる人間の語り

研究課題

研究課題/領域番号 21681031
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 詞子  京都大学, 野生動物研究センター, 研究員 (60402749)

キーワード性差 / 性別役割 / 相互行為 / 霊長類 / 霊長類学者 / 年齢カテゴリー / 自然 / 文化
研究概要

観察者が動物に自明のものとして当てはめるオス/メス、オトナ/コドモ、母親/子、優位/劣位といった区分が当の動物たちにとって実際の相互行為のなかでいかに組織化されるのか/されないのかを明らかにすることを目的に、国内の飼育チンパンジーおよび飼育者との相互行為に関する資料を、ビデオとフィールドノートを併用して、毎月1回収集した。この成果の一部として、第6回責任の文化的形成セミナー・併設データセッション(9月9日)において、特に飼育者とチンパンジーの相互行為に着目して"When Species Meet"と題する英語での口頭発表をおこなった。チンパンジーが、形態計測という場面に於いて指示される立場でありながらも、身体や物の配置を先取りしながら飼育者と協調的に作業を進めていることが明らかとなった。このことは、完成体(オトナ)と未熟なもの(コドモ)という区分によってイメージされがちな、ヒトと動物の関係について再考を促す契機となるとともに、自然/文化の対立軸そのものの境界領域を扱う重要な出発点となる。今年度は、海外調査もおこなう予定であったが、体調不良のため渡航が困難となったため、次年度調査にむけての準備を進めた。本研究で着目している様々な区分は相互に密接に結びついており、その結びつきは人間による人間理解を背景にしているだけでなく、そうした人間理解を「自然」のものとして扱うことの正当性をも提供してきた。そこで、霊長類研究の歴史的背景についても文献収集をおこなった。文献データベース(Web of Science)を利用して、タイトル、要旨、キーワードにチンパンジーないしボノボが含まれる1900~2009年までの文献を検索した(2439件)。文献情報は文献管理ソフトEndNoteに取り込み、セックス/ジェンダーに関してはFEMALE、MALE、SEX、優劣に関してはDOMINANCEを含む8つのキーワードが含まれるものをタグ付けして分類した。各文献の研究分野による分類もおこなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 群れの移動はどのようにして始まるのか?~金華山の野生ニホンザル2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤詞子
    • 雑誌名

      木村大治、中村美知夫、高梨克也編『インタラクションの境界と接続』

      ページ: 275-293

  • [雑誌論文] 読解:対面する者から対面することへ2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤詞子
    • 雑誌名

      木村大治、中村美知夫、高梨克也編『インタラクションの境界と接続』昭和堂

      ページ: 109

  • [雑誌論文] チンパンジーの集団:メスから見た世界2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤詞子
    • 雑誌名

      河合香吏編、『集団~入類社会の進化』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

      ページ: 89-97

    • 査読あり
  • [学会発表] ニホンザルおよびチンパンジーの遊動における性差2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤詞子
    • 学会等名
      第63回日本人類学会大会・進化人類分科会:霊長類における性差の発現
    • 発表場所
      Schonbach Sabo(東京)
    • 年月日
      2009-10-03
  • [備考]

    • URL

      http://sites.google.com/site/categoryken/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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