新しい小学校学習指導要領に基づく理科の教科書の内容に即した形で、授業で求められる質・量・精度に到達しうる観察・実験を取り入れた学習指導ができる教師教育について研究した。 (1)観察や実験などを取り入れた理科授業が実践できる教師教育のあり方を実践で検証した。 ●教員養成教育として、小学校理科指導法科目「理科教育研究」を実践の場として学生教育を行い、限られた時間の中で、何をどこまで指導できるかを確認した。受講学生の評価は比較的高く、受講後の授業評価では大多数の学生が肯定的な評価をした。特に、教科書に掲載されている実験教材を用いたことに対しての評価が高かった。電磁気関連の単元の中でも「これまで履修してこなかった内容・教材」を含む「電気の利用」を大学で学ぶべきという意見が学生から多く寄せられた。 ●教員免許状更新講習の選択講習を実践の場として、現職教員教育実践を行った。1回の実践が6時間という短時間ではあったが、上述の「理科教育研究」の実践内容を精選して提供した実践は、受講者から肯定的な評価を得た。 (2)小学校理科教科書の内容分析を行い、教師教育実践の改善へ向けて授業で求められる質・量・精度に到達できる教師の観察・実験技能について検討した。また、現職教員からの声だけでなく、研究代表者自身が子どもに対する授業実践を行った結果とあわせて、子どもにわかるような観察・実験教材の提供方法(授業への取り入れ方)について検証した。
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