研究概要 |
グラフ彩色問題とは、頂点と辺からなるグラフの点を彩色する際,互いに隣接しあう点同士を異なる色に彩色するには何色が必要となるか?という問題である.当問題は、ネットワーク(グラフ)の分割や巨大なグラフの解析する上で必要不可欠な理論であることが古くから指摘されているが,計算理論の視点ではNP困難のクラスに属し、一般的にはグラフの入力に対して,多項式時間で解くのは非常に困難であると言われている.さらに近年では多項式時間での近似さえ難しいことが指摘されている.これはグラフ理論における非常に難解な予想,例えばHadwiger予想やTutteのFlow予想等のほとんどがグラフ彩色問題に関連していることからも明らかである. 本研究者は、有名なGrotzschの定理の拡張に挑んだ。Grotzschの定理とは、平面グラフにおいて、三角形を含まなければ、3彩色可能であるとする定理である。R.Thomas氏とZ.Dvorak氏とともに、この定理の見通しの良い別証明を与え、三角形を含まない平面グラフを3彩色する線形時間アルゴリズムを与えた。
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