研究概要 |
グラフ彩色問題とは、頂点と辺からなるグラフの点を彩色する際,互いに隣接しあう点同士を異なる色に彩色するには何色が必要となるか?という問題である.当問題は、ネットワーク(グラフ)の分割や巨大なグラフの解析する上で必要不可欠な理論であることが古くから指摘されているが,計算理論の視点ではNP困難のクラスに属し、一般的にはグラフの入力に対して,多項式時間で解くのは非常に困難であると言われている.さらに近年では多項式時間での近似さえ難しいことが指摘されている.これはグラフ理論における非常に難解な予想,例えばHadwiger予想やTutteのFlow予想等のほとんどがグラフ彩色問題に関連していることからも明らかである.本研究者は、平成23年度、グラフ細分に関して閉じているグラフに関するグラフ彩色問題に取り組み、多くの知見を得た。具体的には、Kt(すなわちt点の完全グラフ)塗細分として含まないグラフ上でのグラフ彩色問題に取り組んだ。その中でも得られた主定理は、このようなグラフは、tの2乗色を彩色数として必要とするかもしれないが、アルゴリズム的には、彩色数+3t色のグラフ彩色を、多項式時間で得られることを証明した。
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