研究概要 |
東日本大震災の影響により、J-PARCのビームタイムには1年以上の遅れが出ているため、実際のビームタイムを持つことはできなかったが、震災からの復興も完了し、いつでも現場作業にかかれる体制を再び整えることができた。X線検出用のゲルマニウム検出器については、実際にJ-PARCでの動作試験を行い、問題がないことを確認できた。さらに、J-PARCのビーム強度が上がらないことの対策として、一部の検出器を改造してアクセプタンスを広げることに着手し、その設計を完了した。 その一方では、J-PARCにおけるほかの実験(E27,E10,E13およびE15)に参加し、ビームラインや共通検出器のオペレーションについて経験を積んだ。これらの実験においては本研究計画のために開発・制作した検出器が使われている。すなわち、E10実験ではシリコンストリップ検出器、E15実験においてはドリフトチェンバー、E13実験においてはLSOを用いたゲルマニウム検出器モニターシステムが活躍しており、本研究の副産物として、これらの研究にも貢献することができた。同時にこれらの検出器の実地テストを行ったことにもなっており、検出器の動作に問題がないことが確認できた。
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