研究課題
今年度は、首都大学東京からいばらき量子ビームセンターに移設した極端条件下単結晶X線回折装置の整備・調整、フラックス法での試料作成環境の整備、大強度陽子加速器研究施設J-PARCでの極低温非弾性中性子散乱実験で使用する3He冷凍機の設置、等の主に実験環境整備を学生とともに行った。また、特に充填スクッテルダイトの希土類充填率と低温物性との関係を調べるため、4軸X線回折計を用いた室温での単結晶構造解析も開始した。中性子散乱実験では、多極子秩序の典型物質であるセリウムヘキサボライドCeB6のII相および(Ce,La)B6のIV相での短波長中性子回折を行った。これらの系の磁気形状因子の波数依存性を調べ、現時点での解析結果を日本物理学会で報告した。(Ce,La)B6のIV相に関しては、以前観測した超格子反射には磁気散乱成分を含まれていることを偏極中性子回折により微視的に確認した。このことは、IV相の秩序変数が磁気八極子であることを示すさらなる証拠である。また、充填スクッテルダイト超伝導体PrOs4Sb12の磁場下での磁気励起および充填スクッテルダイト化合物PrFe4P12の圧力誘起反強磁性秩序について調べ、これらの系の4f電子状態について新たな情報を得た。
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