研究課題
今年度は、H23年度実施予定の大強度陽子加速器研究施設J-PARCでの中性子非弾性散乱実験および研究用原子炉JRR-3での中性子弾性散乱実験のための試料作成を主に行った。具体的には、フラックス法によるSm系充填スクッテルダイト化合物の多結晶試料の作成、および、多極子秩序の典型物質であるセリウムヘキサボライドとそのLa希釈系のフローティングゾーン法による大型単結晶試料の作成を行った。中性子散乱実験では、セリウムモノブニクタイドCeSbの圧力下中性子回折実験をJRR-3において行った。その結果、これまでの研究では報告されていなかった新しい高圧下の秩序相が存在することがわかった。単結晶X線構造解析により充填スクッテルダイト化合物のプニクトゲンの作るカゴの中への希土類充填率の評価を行い、高圧合成試料では誤差内で希土類イオンが100%充填されていることを定量的に明らかにした。多極子秩序を示すことが報告されているDyPd3S4の単結晶試料の極低温単結晶X線回折を行い、極低温において低温秩序相に関係した格子異常を観測した。
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Chinese Journal of Physics
巻: 49 ページ: 231-238
Journal of the Physical Society of Japan
巻: 79 ページ: 063704(4)