研究課題
1.台風資料の収集と電子化これまで本課題で収集してきた台風資料に記載されていない台風経路が記されている1899年-1956年の「北半球天気図」を気象庁図書館から収集し、台風経路データを電子化した。2.台風経路データの公開アメリカ海洋大気庁の世界中の台風経路データ網(IBTrACS)に本課題で電子化し、作成したフィリピン気象月報の1902-1940年の台風経路データセットを提供し、広く公開した。3.研究成果の発信と研究協力者との議論研究協力者の所属する台湾気象局を訪問し招待講演を行い、また、台湾大学にてセミナーを行い、本課題の研究成果の発表し、広く情報の発信を行った。ハワイ大学に3カ月滞在し、研究協力者と共同研究を行い、本課題で収集、電子化した台風資料を用いた研究を進めた。本課題で収集してきたフィリピン、台湾、香港、上海、日本の台風経路データに関する歴史についてまとめた本を出版し、情報を発信した。4.本課題で収集、電子化したデータを用いた解析20世紀を通した台風の発生数は、西部北太平洋域では、長期トレンドは見られないものの、地域的には、フィリピン、台湾、沖縄から本州南岸の沿岸域で、1920年代を最高に20世紀末にかけて減少し、逆にグアムやマリアナ近海の東側の海域で増加する傾向があることを明らかにした。夏季西部太平洋域のモンスーンの代表的な指標(PJパターン)を定義し、独自に収集した気象データを用いて、19世紀末まで遡った夏季モンスーンの変動を再現し、本課題で復元した台風数と夏季モンスーンの指標とを比較し、1970年代以降と1900年代から1940年代にかけて有意に連動していることを明らかにした。
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J.Climate
巻: 25 ページ: 1689-1710
巻: 25 ページ: 1722-1744
Quarterly Journal of the Royal Meteorological Society
巻: 137
DOI:10.1002/qj.779