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2009 年度 実績報告書

分離と組成評価に基づく発光性シリコンクラスターの精密合成法の開発と発光特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21685003
研究機関東京理科大学

研究代表者

根岸 雄一  東京理科大学, 理学部・第一部・応用化学科, 講師 (20332182)

キーワードシリコンナノクラスター / 高分解能分離 / 高速液体クロマトグラフィー / 紫外可視吸収スペクトル / 蛍光スペクトル
研究概要

オプトエレクトロニクスデバイスへの利用を睨んで、発光性シリコンナノクラスターに関する研究が盛んに行われている。発光波長が制御されたシリコン発光素子を創成するためには、構成原子数や化学組成が厳密に制御されたシリコンナノクラスターを合成する技術が必要となるが、これまで報告のある調製法では構成原子数や化学組成に分布をもつ混合物しか得ることができない。本研究では、フェニル基により保護されたシリコンクラスター(Si:Ph)を対象に、それらを高分解能で分離することに取り組んだ。クラスターは液相法にて合成した。得られたクラスター混合物を高分解能サイズ排除カラム(分子量分画範囲:500-20,000)に通してみたところ、クロマトグラムには5つの明確なピークが観測された。各々の成分を分離し、その紫外可視吸収スペクトルを測定してみたところ、各々はそれぞれ紫外領域にて異なる吸収を示すことが分かった。このことはサイズ排除カラムにより、Si:Phが高分解能で分離されたことを示している。スペクトルの形状や沸点などから、保持時間の短い4つ成分がSi:Phであり、保持時間の最も長い成分は洗浄し切れていない有機分子であることが分かった。4つの成分についてはカラムの特性を考慮にいれると、保持時間の順にサイズが連続的に小さくなっていると解釈される。すなわち、保持時間の最も長いクラスターが最も小さなサイズのクラスターであると考えられる。4つの成分の蛍光スペクトル上を測定したところ、サイズの減少に伴って、クラスターの発光ピークが連続的にブルーシフトする様子が観測された。このことはサイズの減少に伴い、クラスター内の電子状態が離散化しバンドギャップが連続的に増大していることを強く示唆している。今後は質量分析により、4つの成分の化学組成を特定することで、シリコンナノクラスターにおける組成と発光波長の相関についてより深く理解することを目指す。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 二成分複合金属クラスターの精密合成と構造解析2010

    • 著者名/発表者名
      根岸雄一
    • 学会等名
      第90回日本化学会春期年会
    • 発表場所
      近畿大学本部キャンパス
    • 年月日
      2010-03-26
  • [学会発表] 1.5nmの粒径をもつアルキル基保護シリコンクラスターのサイズ選択的合成と化学組成評価2009

    • 著者名/発表者名
      新堀佳紀
    • 学会等名
      19回日本MRS学術シンポジウム
    • 発表場所
      横浜情報文化センター
    • 年月日
      2009-12-08
  • [学会発表] チオラート保護金属クラスターの精密合成と界面構造・物性2009

    • 著者名/発表者名
      根岸雄一
    • 学会等名
      第58回高分子討論会
    • 発表場所
      熊本大学工学部
    • 年月日
      2009-09-18

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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