研究概要 |
成分の多様化と機能の発現: H22年度において、単分散シリカナノ粒子コロイド結晶を鋳型にしたカーボンレプリカの作製と構造解析を実施した。種々の粒子径の単分散シリカナノ粒子のコロイド結晶体を鋳型にしてメソポーラスWO3の調製と光触媒としての応用も実施した。H23年度において、50nmの細孔を有するカーボンレプリカ内で酸化スズの調製を実施したところ、得られた生成物は、カーボンレプリカと同様の細孔構造と高い比表面積を有し、またキシロースの脱水反応によるフルフラール生成用の固体酸触媒として応用可能であることを見出した。 球状メソ多孔質シリカナノ粒子: H21年度までに、様々規則性シリカナノ粒子の合成手法を応用することで、20nm程度の球状メソポーラスシリカナノ粒子、ならびにTi含有球状メソポーラスシリカナノ粒子調製に成功した。H22年度において、Ti含有球状メソポーラスシリカナノ粒子にシリル化処理を行い、触媒性能の向上を図った。その結果、トリメチル化することで粒子の疎水性が向上し、触媒活性を向上できた。H23年度において、Ti含有球状メソポーラスシリカナノ粒子触媒が、酸化剤として過酸化水素や有機過酸水溶液(tert-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP,70wt% in water))水溶液を用いた場合、特に高い触媒性能を発揮することを見出した。中でも、シクロヘキセン、シクロオクテン及びβ-カリオフェレンにおいて顕著な向上が見られた。
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