研究課題/領域番号 |
21686018
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古山 通久 九州大学, 稲盛フロンティア研究センター, 教授 (60372306)
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キーワード | 分子動力学 / 多孔質 / 連成現象 / 反応流動 / 計算化学 / 固体酸化物燃料電池 |
研究概要 |
多孔質材料は、燃料電池など活性点での化学反応と活性点への反応物質の輸送が同時に重要となる様々な機能材料に用いられる。そのナノ・メソ細孔内における反応流動現象は、経験的に従来のKnudsen拡散の概念に基づく「流れ」と表面における「化学反応」を独立に考慮した理解が試みられてきた。しかし、不活性な表面における物理吸着・脱離現象のみを考慮したKnudsen拡散係数を、化学吸着、表面拡散、表面反応の影響が大きな活性表面を有する多孔質材料系における反応流動連成現象解析へ適用することは理論的に不可能である。本研究では、複雑多孔質構造場における反応流動連成現象の理論シミュレーション手法を開発し、SOFC電極内の反応流動現象など具体的課題へと応用し多孔質電極細孔内における反応流動連成現象を解明することを目的とする。 研究3年度目である本年度は、複雑多孔質構造場における反応流動連成現象の理論シミュレーション手法の開発を継続するとともに、固体酸化物形燃料電池などへの応用に取り組む。具体的には1)複雑多孔質場の原子解像度モデル化手法の開発、2)反応流動連成現象解析用分子動力学シミュレータの開発、3)固体酸化物形燃料電池多孔質電極への開発手法の応用、に取り組んだ。複雑多孔質場の原子解像度モデル化手法の開発は、初年度における開発を継続するとともに、具体的な応用を通して明らかとなった課題に対する追加機能や修正を行った。連成現象解析用分子動力学シミュレータの開発では、並列化効率の向上の課題に取り組んだ。また、固体酸化物形燃料電池多孔質電極への応用に向けて、本年度は活性表面であるNi系への応用を通して開発手法の課題を明らかにし、手法開発へのフィードバックを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
手法の開発、手法の応用は当初予定通りの進捗を示している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、当初の計画に従って手法の開発を完了し、具体的な反応流動現象への応用壷通して、多孔質場の表面活性や分子の活性と反応流動現象に関する知見を得る。
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