研究課題/領域番号 |
21686025
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長谷川 泰久 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70303675)
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キーワード | 人間支援機械 / リハビリテーション / 機械力学・制御 / 知能ロボティクス / 空気圧 / 装着技術 |
研究概要 |
本研究では、健常者および障害者が恒常的に装着可能な装着型人支援機器の実現に必要となる装着性を向上させる技術を研究開発することで、恒常的に身体拡張を行うことを最終目的としている. そこで、人の腕の皮膚表面に作用する圧力を時空間レベルで分散させ、換気および血行の促進効果の高いアクティブエアマットを21年度に製作し、22年度には上肢支援システムの前腕部に本アクティブエアマットを搭載した。これにより、上肢への容易な着脱が可能であることを着脱時間により確認し、支援機器の腕への確実な拘束が行われていることを両者間の相対加速度から確認した。また、電磁バルブから排出されるエアマット駆動用空気を皮膚表面の換気に利用することで、皮膚表面の湿度の低下に効果があることを実験により確認した. 23年度には、装着者の運動時および運動直後の発汗の多い期間にて上記のシステムによる換気が十分であるか評価を行い、運度時には湿度の低下には効果があるものの、十分ではないことが明らかとなり、換気量を増やすことになった。また、支援機器の腕への固定力も運動時には不足することが判り、供給空気圧力を上げることなく固定力を増やすエアマット構造を提案し、実験によりその効果を確認した。更に、22年度に行った血流計測実験の被験者を増やすと共に、実験設備を拡張しアクティブエアマットの接触領域が変化した場合の左右手先温度の変化を長時間計測することで、アクティブエアマットの接触部位おいても確実に血流が確保されていることを確認した.また、手の指部用に小型のエアマットを開発し、従来のマジックテープと比較して、装着が容易な外骨格プロトタイプを製作した。このプロトタイプでは、指の長さについて個人差を吸収する構造と有している。今後、本プロトタイプの評価および構造改良を引き続き実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上肢への恒常的身体装着技術の研究開発は予定どおり進めらており、装着性、湿度、血行、拘束力の点では大幅に改善されている。一方、下肢への身体装着技術については、若干遅れ、未実施事項がある。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる24年度は、下肢への身体装着技術を担当する研究者を増やし、当初計画どおり研究を進める。
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