研究概要 |
本研究は高効率,長寿命,メンテナンスフリーが特徴であるマトリックスコンバータとフライホイールを組み合わせたエネルギーキャッシュシステムを開発することにある。今期は,昨年設計した1.5MJ, 15, 000r/minのフライホール一号機を評価し損失分離を行った。その結果,電気的には,誘導モータの鉄損が支配的(91%)となり,機械的には風損が支配的になることがわかった。一方,インターフェス用電力変換器では,マトリックスコンバータにV結線チョッパにより昇圧機能を付加した昇圧形マトリックスコンバータを開発した。これは従来のマトリックスコンバータの小形,高効率の利点を損なうことなく,最大の欠点であった電圧利用率の制限をなくしている。V結線チョッパにより発生する損失は従来の整流器の60%程度に抑えることができ,さらに逆阻止IGBTを適用することで,損失を30%程度まで低減できることを,解析と実験により明らかにした。 また,V結線チョッパの入力部に発生するフィルタの共振に対しては,ダインピング制御を開発し,ダンピング抵抗による損失なしに,入力電流波形を正弦波状に制御出来る技術を確立した。全体のした正月今後はさらに大容量化に向けて,永久磁石モータの手教によるモータの損失低減と高真空化により風損を低減し,3MJのフライホールを開発する。また,電力変換器については小形化の実装技術を開発していく。
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