研究概要 |
本研究は高効率,長寿命,メンテナンスフリーが特徴であるマトリックスコンバータとフライホイールを組み合わせたエネルギーキャッシュシステムを開発することにある。今期は,試作した1号機の定量的な評価を行うと共に,その評価結果を反映した2号機を試作した。2号機の仕様は定常回転速度9500rpm,貯蔵エネルギー3.OMJである。また1号機では風損が大きかったことから,フライホイールの密閉容器内の真空度を800Paまで高めた。10kPa(1号機)の場合の定常損失解析結果を比較すると,真空度が向上するこどで風損が75%程度低減することがわかった。また,電気的損失は2号機では1号機に比べ鉄損が13%程度低減できた。一方,インターフェス用電力変換器では,マトリックスコンバータとDC/DCコンバータを統合した回路を開発した。これにより,バッテリや電気二重層キャパシタなどの直流電源とも連系でき,フライホイールの適用先をさらに広げることができる。さらに先期開発した昇圧形マトリックスコンバータについてもフライホイール運転時の特性を評価し,所望の性能が得られることを角煮にした。今後はさらに大容量化に向けて,フライホイール専用の永久磁石モータを開発し,モータの損失低減を実現する。また,フライホイールを駆動する電力変換器については体積最小条件を明らかにし,機械との統合実装技術を開発する。
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