研究概要 |
本研究は,一体型交流エネルギーキャッシュシステムの開発をめざして,(1)交流直接形電力変換器の開発,(2)フライホイールの高速設計法と磁気軸受制御法の確立,(3)電気実装の問題点を取り扱う解析技術の開発を行った。その結果,(1)では,同期PWM方式を適用することで,交流直接形電力変換器の高速化が達成できた。また,交流直接形電力変換器の入力を単相に接続する場合,コンデンサの電圧を制御することで,電力脈動を補償できることを確認した。(2)では,フライホイールの小型,高効率化を目的に使用する磁気軸受では,軸の支持位置により収束応答が異なることを確認し,軸振動を高速に制御すること軸支持ができることがわかった。(3)では,高密度化および高効率化を実現するため,交流直接形電力変換器と同様の構造を持つアクティブ中性点クランプ回路を用いて損失解析を行い,定式化した。その結果, 1kW定格運電時の理論損失と実機の損失の誤差率2%であり,理論式の妥当性を確認した。 以上の研究成果より,交流直接形電力変換器とフライホイールを用いた一体型交流エネルギーキャッシュシステムが実現できることを確認した。
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