研究概要 |
(1)沿岸海域の水防災環境評価システムの確立を目指した予測数値モデルの開発: これまで構築してきた気象-海象-越波・氾濫予測数値モデルおよび水質8項目の生物化学的過程を考慮した気象-海象-生態系結合モデルをさらに改良するとともに,観測結果との比較からモデルの妥当性を検証した. (2)沿岸海域における物理環境場の影響解明: 平面2次元モデルを用いた高潮・高波氾濫計算および津波伝播・浸水計算を実施することにより,沿岸海域における物理環境場の変化特性を明らかにするとともに,災害危険度について検討した. (3)高潮-高波による越波対策工法の提案: 高潮-高波に伴う海岸護岸周辺の越波・氾濫の諸特性を,数値計算と水理実験により解明した-また,複雑な海底地形や特殊形状護岸に対する越波流量を高精度に評価することにより,対象地域の特性に適した新形式越波対策工法を提案した. (4)異常気象が及ぼす伊勢湾海域における物理環境場の影響解明: 気象-海象-生態系結合モデルを用いて,大出水時を対象に,異常気象が及ぼす伊勢海域湾の流動・密度・水質構造の影響について明らかにした.さらに,物質の動態挙動,海水交換率などについても定量的に評価した. (5)伊勢湾海域における水質環境の変化特性: 伊勢湾海域の表層における水温,クロロフィル濃度,濁度の変化特性を検討するために,ASTER,MODISによる衛星画像解析を行った.また,衛星画像や現地観測によるデータの同化を行うことにより,構築してきた計算モデルの精度向上を図った.
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