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2009 年度 実績報告書

プロテオーム解析と原子間力測定に基づいたMBRにおける膜ファウリングの制御

研究課題

研究課題/領域番号 21686050
研究機関北海道大学

研究代表者

木村 克輝  北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10292054)

キーワードMBR / 膜ファウリング / 代謝産物 / 原子間力顕微鏡
研究概要

次世代の下水処理技術として膜分離活性汚泥法(Membrane Rioreactor, MBR)がこれまでも注目を集めてきたが、膜ファウリングに伴う高コストが阻害要因となってMBRは普及していない。MBRにおける膜ファウリングはタンパク質等の細胞外代謝産物により引き起こされるというのが通説となっているが、既往の研究のほとんど全てが代謝産物の量を包括的に把握することにより膜ファウリングの発生を考察するものにとどまっている。この結果として、「どのような」有機物がMBRにおける膜ファウリングを引き起こしているのか、という点に関して現時点における情報および知見が決定的に乏しく、効果的な膜ファウリングの抑制を実行するのにはほど遠い状況となっている。本研究では生化学分野において確立された技術であるプロテオーム解析およびナノテクノロジー分野において注目を集めている原子間力測定を導入して、膜ファウリングの原因となる物質に関する情報を飛躍的に充実させることを目的とするものである。
21年度において、パイロットスケールMBR槽内より採取した有機物および閉塞膜からアルカリ抽出しだ有機物を対象としてプロテオーム解析の第一段階として必要となるSDS-PAGEの適用を検討した。SDS-PAGE分析にあたり、生化学分野で一般的に用いられている手法の適用ではスメアなバンドが出ることを確認し、限外ろ過による精製とエタノールを用いた分別沈殿がSDS-PAGEの適用にあたり有効であることを見いだした。また、膜ファウリングを引き起こす糖および糖タンパク質に関する情報を得るため、レクチンアフィニティークロマトグラフィーの適用可能性を検討した。MBR槽内中に存在する糖類を分画し、ファウリングポテンシャルの高い糖類画分があることを確認した。これらの結果は、MBRにおいて膜ファウリングを引き起こす特定の有機成分を決定するために有用な知見を含むものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Seasonal variation in membrane fouling in membrane bioreactors(MBRs)treating municipal wastewater2009

    • 著者名/発表者名
      Miyoshi, T., Tsuyuhara, T., Ogyu, R., Kimura, K., Watanabe, Y.
    • 雑誌名

      Water Research 43

      ページ: 5109-5118

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 水温の異なる時期における多糖類のファウリングポテンシャルの変化2009

    • 著者名/発表者名
      三好太郎、田中一平、木村克輝、渡辺義公
    • 雑誌名

      環境工学研究論文集 46

      ページ: 645-652

    • 査読あり
  • [学会発表] 膜分離活性汚泥法(MBR)において膜ファウリングに関与しているタンパク質のプロテオーム解析2010

    • 著者名/発表者名
      三好太郎、木村克輝、相沢智康、渡辺義公
    • 学会等名
      第44回日本水環境学会年会
    • 発表場所
      福岡大学、福岡
    • 年月日
      2010-03-15
  • [学会発表] Fouling potentials of polysaccharides in MBRs assessed by lectin affinity chromatography2009

    • 著者名/発表者名
      Miyoshi, T., Tanaka, T., Tsuyuhara, T., Watanabe, E., Aizawa, T., Kimura, K., Watanabe, Y.
    • 学会等名
      IWA Membrane Technology Conference & Exhibition 2009
    • 発表場所
      北京中国
    • 年月日
      2009-09-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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