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2009 年度 実績報告書

化学熱力学に立脚したセメント系材料の水和・硬化・体積変化の体系化

研究課題

研究課題/領域番号 21686052
研究機関名古屋大学

研究代表者

丸山 一平  名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (40363030)

キーワードセメント / 水和反応 / 体積変化 / 分離圧 / 線膨張係数 / 高炉スラグ微粉末
研究概要

成果1:セメント硬化体中の含水量変化によって生じる体積変化が,水和生成物(セメントと水が反応することによって生ずる化合物)と水との相互作用力に起因する分離圧であることを実験的に明らかにし,ヒステリシス(脱水と吸着プロセスにおいて,含水量が一緒にならない現象)における体積変化についても合理的に説明できる新しい概念,Hydration pressure theoryを提案した。
成果2:上記,概念に基づき,セメント硬化体の体積変化を抑制すると経験工学的に理解されていた収縮低減剤の収縮メカニズムが,水和生成物表面に親水基によって吸着が生じ,疎水基が水の吸着の邪魔をするため,結果として平均的な表面-水間の相互作用力が小さくなる(正確には,減衰が大きくなる)ことによって生じることを理論的に明らかにした。
成果3:セメント硬化体の若材齢体積変化について,線膨張係数の経時変化によって生じる温度ひずみという,従来になかった体積変化メカニズムを発見し,特に高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートが,これによってひび割れ発生を生じやすくなることを,実験と理論の両面から明らかにした。
成果4:このような,線膨張係数の経時変化が生じる理由は,内部の含水率の減少によってもたらされることに着目し,含水軽量骨材を用いて,セメントの水和が進行した場合,水分供給を行って,含水量を保持することで,線膨張係数の経時変化を抑制して,ひび割れ低減を有効に行えることを実験的に検証した。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] セメント硬化体の若材齢体積変化と線膨張係数の経時変化2010

    • 著者名/発表者名
      丸山一平, 寺本篤史
    • 雑誌名

      セメント・コンクリート論文集 63

      ページ: 77-84

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 人口軽量骨材による高炉セメントコンクリートの線膨張係数制御の検討2010

    • 著者名/発表者名
      寺本篤史, 丸山一平
    • 雑誌名

      セメント・コンクリート論文集 63

      ページ: 107-113

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 収縮低減剤の作用機構2009

    • 著者名/発表者名
      丸山一平, 岸直哉
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集 74

      ページ: 1895-1903

    • 査読あり
  • [雑誌論文] セメント硬化体の収縮理論2009

    • 著者名/発表者名
      丸山一平, 岸直哉
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集 74

      ページ: 1395-1403

    • 査読あり
  • [雑誌論文] セメント硬化体中の熱伝導率に関する実験的検討2009

    • 著者名/発表者名
      岸直哉, 丸山一平
    • 雑誌名

      日本コンクリート工学協会年次論文集 31

      ページ: 781-786

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高温履歴を受けるセメント硬化体中の普通ボルトランドセメントの水和反応と硬化体の物性2009

    • 著者名/発表者名
      五十嵐豪, 丸山一平, 高松伸之, 山田一夫
    • 雑誌名

      日本コンクリート工学協会年次論文集 31

      ページ: 715-720

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高炉スラグ微粉末を用いたセメント硬化体の若材齢体積変化と水和反応に関する研究2009

    • 著者名/発表者名
      高松申之, 丸山一平, 五十嵐豪, 寺本篤史
    • 雑誌名

      日本コンクリート工学協会年次論文集 31

      ページ: 187-192

    • 査読あり
  • [学会発表] 異なる含水状態を有するセメント硬化体の爆裂挙動2010

    • 著者名/発表者名
      猪飼陽子
    • 学会等名
      日本材料学会東海支部
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2010-03-05
  • [学会発表] 若材齢セメント硬化体中の水和反応と力学的物性の関係に関する検討2010

    • 著者名/発表者名
      五十嵐豪
    • 学会等名
      日本材料学会東海支部
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2010-03-05
  • [学会発表] 高炉スラグを用いたセメント硬化体の分離圧曲線2010

    • 著者名/発表者名
      丸山一平
    • 学会等名
      日本建築学会東海支部
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2010-02-20
  • [学会発表] The effect of elevated temperature history on properties and hydration of hardened cement paste2009

    • 著者名/発表者名
      G.Igarashi
    • 学会等名
      International Conference on Construction Materials
    • 発表場所
      Nagoya
    • 年月日
      2009-08-24
  • [学会発表] 壁状マスコンクリート部材中の簡易温度ひび割れ幅評価式の提案2009

    • 著者名/発表者名
      丸山一平
    • 学会等名
      コンクリート工学年次大会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2009-07-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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