研究概要 |
本研究では,個別事象として捉えられてきたセメント系材料の水和,硬化(強度の増進・変化),体積変化(ヤング率,線膨張率,収縮,クリープ)について,これらの現象を熱力学上の平衡論と速度論の立場から解釈し,熱力学的物性値に基づくセメント系材料の硬化・体積変化に関わる物性評価モデルを構築することを目指した。本研究では, XRD/Rietveld解析を中心として,各種ポルトランドセメント,水セメント比,養生温度の異なるセメントの水和反応率と相組成に関するデータを整備した。それと当時に,ヤング率,ポアソン比,圧縮強度,水蒸気吸着等温線と比表面積,熱伝導率のデータを整備し,化学反応と物性値を関連づけるデータを整備した。これらを元に反応速度モデルを開発し,また,相組成,相組成から各種物性を予測するモデルを構築し,セメントの反応をベースとした物性予測モデルを提案した。
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