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2011 年度 実績報告書

木造建築の部材・接合部の生物劣化を考慮した残存耐力の評価法に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21686053
研究機関京都大学

研究代表者

森 拓郎  京都大学, 生存圏研究所, 助教 (00335225)

キーワード木質構造 / 生物劣化 / 木材 / 接合部 / 強度 / 診断 / ヘルスモニタリング / 耐震改修
研究概要

木質構造の根幹をなす木材およびそれで構成された接合部が、生物劣化(特にシロアリと褐色腐朽菌)を受けた場合に、どのくらい残存強度があるのかについて実験的に検討した。また、本試験を行うために重要となる実大レベルの材料における強制的な生物劣化方法がほとんど提案されていないため、その部分についても新に検討した。加えて、一般的に生物劣化の度合いを評価する方法として用いられている機器や手法についても、検討した。
その結果、以下のことが明らかとなった。
1.生物劣化を受けた木材の曲げ、圧縮、部分圧縮の強度特性と、生物劣化の評価指標として用いられる超音波伝播速度(Dr.Wood)、打ち込み深さ(ピロディン)、容積密度(元の断面に対する現在の重さを用いて求めた密度)、に関するデータを蓄積した。その結果、部材レベルではどの診断方法も評価できるものののその精度については、部材の大きさや計測方法によって違いがあることがわかった。非破壊と言う意味では、全般的に超音波伝播速度が優れており、圧縮強度においては打ち込み深さの計測が最も優れていることがわかった。
2.生物劣化を受けさせる方法、特に、シロアリであればフィールドにて食害させる方法、腐朽処理であれば恒温室だけでなく大気化においても活用できる方法を提案し、実際に劣化を与えることが出来た。特に強制腐朽処理については試験の反力部分を損なうことなく腐朽を促進させる方法を提案し、実際に多数の実験を行うことができた。ただし、より大きな劣化を与える方法を検討する必要が残されている。
3.接合部部分にシロアリ食害を受けた・腐朽処理を施した実大の試験体の作製に成功し、その強度特性を調べた。その結果、強度に大きく影響を与える部分が損傷していない場合は、それほど大きな耐力および剛性低下しない傾向を明らかにした。また、腐朽による損傷の場合は、打ち込み深さ計測にて、30mmを超える値を得られた試験体は、残存耐力が大きく減少していることがわかった。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] シロアリ食害を受けた柱-土台接合部の性能評価2011

    • 著者名/発表者名
      温水章吾、河野孝太郎、田中圭、森拓郎、簗瀬佳之
    • 雑誌名

      木質構造研究会第15回技術発表会報告集

      巻: 15 ページ: 89-92

  • [学会発表] 強制腐朽処理を施した木ねじ接合部の一面せん断性能2012

    • 著者名/発表者名
      森拓郎、野田康信、森満範、東智則、戸田正彦
    • 学会等名
      日本木材学会
    • 発表場所
      札幌市(北海道大学)
    • 年月日
      2012-03-16
  • [学会発表] 生物劣化を受けた柱脚接合部の残存強度特性2012

    • 著者名/発表者名
      森拓郎、田中圭、温水章吾、河野孝太郎、簗瀬佳之、栗崎宏、林康裕、井上正文、小松幸平
    • 学会等名
      日本木材学会
    • 発表場所
      札幌市(北海道大学)
    • 年月日
      2012-03-15
  • [学会発表] 生物劣化を受けた国産針葉樹の残存強度性能に関する研究(その3)生物劣化材の曲げ及び圧縮強度特性2012

    • 著者名/発表者名
      水章吾、河野孝太郎、野口雄司、森拓郎、簗瀬佳之、田中圭、森満範、野田康信、栗崎宏、吉村剛、小松幸平、井上正文
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部
    • 発表場所
      北九州市(西日本工業大学)
    • 年月日
      2012-03-04
  • [学会発表] 生物劣化を受けた柱-土台接合部の性能評価(その1)シロアリ食害の場合2012

    • 著者名/発表者名
      河野孝太郎、温水章吾、森拓郎、田中圭、簗瀬佳之、小松幸平、井上正文
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部
    • 発表場所
      北九州市(西日本工業大学)
    • 年月日
      2012-03-04
  • [学会発表] 生物劣化を受けた柱-土台接合部の性能評価(その2)腐朽による劣化の場合2012

    • 著者名/発表者名
      森拓郎、温水章吾、河野孝太郎、田中圭、簗瀬佳之、栗崎宏、林康裕、小松幸平、井上正文
    • 学会等名
      日本建築学会九州支部
    • 発表場所
      北九州市(西日本工業大学)
    • 年月日
      2012-03-04
  • [学会発表] Shear Strength Properties of Nail Embedded Wood Attacked by Brown Rot Fungi by Comparison with Duration of Decay2011

    • 著者名/発表者名
      Takuro Mori, Yoshiyuki Yanase, Shogo Nukumizu, Kei Tanaka, Hiroshi Kurisaki, Kohei Komatsu
    • 学会等名
      International Symposium of Indonesian Wood Resarch Society
    • 発表場所
      Yogyakarta(インドネシア)
    • 年月日
      2011-11-04
  • [学会発表] 強制腐朽処理による柱脚接合部の評価2011

    • 著者名/発表者名
      野田康信、森満範、戸田正彦、森拓郎
    • 学会等名
      日本建築学会
    • 発表場所
      東京都(早稲田大学)
    • 年月日
      2011-08-24
  • [学会発表] 朽条件下における釘接合具のせん断性能(その2)腐朽期間による比較2011

    • 著者名/発表者名
      森拓郎、田中圭、温水章吾、簗瀬佳之、栗崎宏
    • 学会等名
      日本木材保存協会
    • 発表場所
      東京(メルパルク東京)
    • 年月日
      2011-05-27

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公開日: 2013-06-26  

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