研究概要 |
当該年度は,本研究課題における被接合セラミックスであるニホウ化ハフニウムの焼結プロセスについて系統的な調査を行った.具体的には,純度99.5%,-325meshのニホウ化ハフニウム試薬を出発原料として,焼結助剤(ニケイ化ハフニウム,ニケイ化モリブデン,炭化ホウ素および炭化ケイ素)を5~20vol%添加した粉末を,ジルコニアをミリングメディアとする遊星ボールミルおよびボールミルによって粉砕混合を施した.その後,真空および各種不活性ガス雰囲気中においてホットプレスおよびCIP成形を施した成形体の焼結を行い,焼結体の微視的構造および相対密度に及ぼす,焼結助剤,焼結条件(温度,時間,雰囲気,プロセス等)の影響を系統的に調査した.その結果,10および20vol%のニケイ化モリブデンを添加したサンプルをアルゴン雰囲気中において1950℃,1時間の条件で焼結を施すことによって相対密度98.5%のバルク体を得られることが明らかとなった.次年度はこの焼結体を中心に各種溶融金属との濡れ性およびTLP接合法によるセラミックスの接合を進める予定であるここで,他の焼結助剤を添加したサンプルについては芳しい成果を得ることができなかったが,この過程においてミリングメディアであるジルコニアからコンタミネーションおよびセッターとして用いている窒化ホウ素ルツボからのBN蒸気がニホウ化ハフニウムの緻密化に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった.
|