地球規模の温暖化、資源・エネルギー問題から、さらなる省資源・エネルギー化が求められている。それらを解決するための技術として膜分離が今まで以上に注目されており、それらを組み合わせた新しい反応分離場の創成が期待されている。膜素材の中でも、その分子レベルの均一な細孔構造を有するゼオライトは、分子ふるい能および固体酸性を活かし、触媒、イオン交換体、および吸着・分離剤として広く工業的に用いられている。本研究では、目的に応じた構造および物性を有し、新規な反応分離場の構築を目指したゼオライト膜の設計手法の確立を目指し、ゼオライトに類似したOpen Framework構造を有し、その合成も容易な層状珪酸塩を用い、担体上に層状珪酸塩に緻密に配向させ、その後層状珪酸塩のトポタクテックな構造変化によるゼオライト合成を行うという配向膜の設計手法の確立および新規反応分離場の創成を目指す。本年度は、ゼオライトを変化させず、異なる様々な合成方法で配向膜の作成できないかを検討した。その結果、種結晶に用いる粒子径および支持体の形状が大きく影響することがわかった。
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