研究概要 |
本研究では、海底を広域かつ高精度に画像マッピングするための手段として、相対測位が可能な複数の自律型水中ロボット(Autonomous Underwater Vehicle, AUV)が交互に着底してランドマークとなることで広範囲・高精度なリアルタイム測位を行う「Leapfrog(馬とび)Positioning」を提案する。そして、移動ランドマークとなる小型のAUVを開発し、申請者らの所有するAUV「Tri-Dog 1」と実際に連携させることで、提案手法の有効性を示す。 本年度の実施内容は次の通りである。 1、Leapfrog Positioningの測位モデル構築 二台のAUV(親機、子機)による測位モデルを構築するために、複数ロボットによる協調測位、音響測位手法、確率的状態推定手法、を中心に文献調査を行った。そしてシミュレーションやこれまでの研究で得られたデータを踏まえて、まずは親機のセンサ情報だけを用いたモデルを構築した。次に、子機の持つ位置情報を共有することで親機の相対測位精度を向上するための手法を確率論的観点から考慮し、モデルの更新方法について検討した。子機のセンサ情報(水深、方位など)や、子機から求めた親機の位置情報を利用することで、親機はより冗長な情報をもとに自己状態を推定でき、測位精度向上に資することを確認した。 2、LAUVの設計 移動ランドマークとなるAUVの概念設計を実施するとともに、提案手法の実現のための基幹技術となる音響による相対測位・通信装置の開発を実施した。本システムによりAUV同士が互いの相対的位置関係を認識し、情報を共有することができる。水槽実験およびシミュレーションによって測位精度を調べた。
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