研究課題
架橋体を含むパーフルオロ系高分子に対して、各種イオンビームによる真空中直接エッチングを行い、ナノスケールで制御された微細加工体の作製条件、ならびに、電子線グラフト法によりスチレンモノマーをグラフト反応させ、イオン交換基を試料中に導入し、その後、金属イオンで塩化処理する条件を検討した。また、金属イオンで塩化処理後の試料について、量子ビームを使って金属イオンの直接固相還元によりパターン化された金属粒子を析出させることを検討した。微細加工に関しては、高エネルギーイオン照射でもマイクロスケールの直接エッチング加工が可能であることを見いだした。一方、高分子固体中の金属イオンの導入に関しては、試薬に硝酸銀を用いてグラフト鎖に銀イオンを付与した。その後、各種量子ビームを用いて還元条件の検討を進めた。昨年度までの結果から.プラズマによる銀粒子の還元をSEM-EDXで観察しているが、今年度は、XRDを用いて、プラズマによる還元条件を特定した。O_2プラズマでは、酸化銀となってしまうこと、Arプラズマでは酸化されずに、ほぼすべての銀粒子の還元が起きていることを明らかにした。また,超低エネルギーEB装置を用いて、100kVの電子ビームによる金属還元条件を検討した結果、10mC/cm2以上の照射により銀粒子の析出が起きることをSEM-EDXで見いだした。さらに、集束イオンビームを用いてナノアレイ電極作成のための、任意形状のパターン照射を行い、高分子固体中に担持した銀イオン金属還元により1ミクロン程度の太さの配線を行うことが可能であることをSEM-EDXで観察できた。
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RadiationPhysicsandChemistry
巻: 80 ページ: 196-200
巻: 80 ページ: 230-235