研究概要 |
本年度は、染色体へのタンパク質結合分布を調べる方法として確立していたChIP-chip解析法による解析結果をChIP-seqで再現することを目標とし、SOLiD/Solexaを用いて酵母、ヒトそれぞれのコヒーシンについての解析を行いデータの取得を行った。そのデータの情報解析手法を開発し、酵母に関しては、ほぼChIP-chip法と同等の解析結果を得るに至った。本年度開発した手法の概略を以下に示す。まずIP分画とWCE分画とをシークエンスし、両者をゲノムにマッピングを行う。次にゲノムを500bpのWindowに分け、そのWindow内にマッピングされたタグ数を求める。続いてEnrichment領域を求めるために各領域でマッピングされたIPタグ数/WCEタグ数を実施する。この際IP,WCEのトータルタグ数でノーマライズする。また、Enrichmentの信頼度を表すため、500bpwindoをさらに10個の50bpwindowに分け、10組のIP,WCEデータを用いてWilcoxon Rank testを行うことでp-valueを求める。 上記開発したプロトコルに従って解析することで、酵母ではChIP-chipとほぼ同等の結果が得られたのみならず、さらに解像度の高い結果を得ることができだ。しかしながら、繰り返し配列へのアクセスやヒトなど高等真核生物への応用は今後の課題として残っている。
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