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2012 年度 実績報告書

シロアリと卵擬態菌核菌の相互作用メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21687002
研究機関京都大学

研究代表者

松浦 健二  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40379821)

研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2013-03-31
キーワード女王フェロモン / 種間交差活性 / シロアリ / ターマイトボール
研究概要

真社会性昆虫の女王は「女王フェロモン」を分泌することで、他の雌個体が繁殖することを抑え、女王としての地位を確固たるものとしている。これまで、アリやハチで女王フェロモンが同定されていたが、シロアリについては同定されていなかった。これまでの研究により、シロアリの女王フェロモンの同定に成功した(Matsuura et al. 2010 PNAS)。この際、材料として用いたのが、下等シロアリに属するヤマトシロアリである。女王フェロモンの成分、2メチル1ブタノールとブチルブチレートの近縁種の女王分化に対する抑制効果を明らかにするため、R. amamianus, R. miyatakei, R. yaeyamanus, R. okinawanus, R. flavipes およびR. virginicusの同属6種について種間交差活性を測定した。その結果、R. amamianus, R. miyatakeiについては有意に女王分化を抑制することが分かった。しかし、R. yaeyamanus, R. okinawanus, R. flavipes およびR. virginicusでは抑制しなかった。R. flavipes とR. virginicusでは系統的に離れていることで、別の物質を女王フェロモンとしていることが考えられる。女王フェロモン物質は卵からも放出されており、これらは卵の糸状菌に対する抗菌機能を有していることも明らかになった。有意な交差活性を示したR. amamianus, R. miyatakeiは、両種とも卵擬態菌核菌ターマイトボールを保有しており、また、女王フェロモン物質はターマイトボールの発芽抑制効果があることが明らかになっており、女王フェロモンは糸状菌への防衛機能として進化した物質が、二次的に女王の存在と繁殖能力を示すシグナルとして進化した可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 図書 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Multifunctional queen pheromoneandmaintenance of reproductive harmony in termite colonies.2012

    • 著者名/発表者名
      Matsuura, K.
    • 雑誌名

      Journal of Chemical ecology

      巻: 38 ページ: 746-754

    • DOI

      10.1007/s10886-012-0137-3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The lack of chiral specificity in a termite queen pheromone.2012

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, Y., Kobayashi, T. & Matsuura, K.
    • 雑誌名

      Physiological Entomology

      巻: 37 ページ: 192-195

    • DOI

      10.1111/j.1365-3032.2011.00806.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Asexual queen succession in the subterranean termite Reticulitermes virginicus.2012

    • 著者名/発表者名
      Vargo, E. L., Labadie, P. E. & Matsuura, K.
    • 雑誌名

      Proceedings of the Royal Society B

      巻: 279 ページ: 813-819

    • DOI

      10.1098/rspb.2011.1030

    • 査読あり
  • [学会発表] 女王たちの椅子取りゲーム ヤマトシロアリの女王はいつ、誰に入れ替わるのか2012

    • 著者名/発表者名
      松浦健二
    • 学会等名
      日本動物行動学会
    • 発表場所
      奈良女子大学
    • 年月日
      20121124-20121125
  • [学会発表] Evolution of reproductive systems and pheromonal regulation in termites2012

    • 著者名/発表者名
      Matsuura, K.
    • 学会等名
      Entomological Society of America annual meeting
    • 発表場所
      Tennessee
    • 年月日
      20121111-20121114
    • 招待講演
  • [学会発表] 社会性昆虫の繁殖システムの進化

    • 著者名/発表者名
      松浦健二
    • 学会等名
      日本生態学会
    • 発表場所
      静岡
  • [学会発表] シロアリの女王が有性生殖と単為生殖の卵を産み分ける仕組み

    • 著者名/発表者名
      松浦健二
    • 学会等名
      日本応用動物昆虫学会
    • 発表場所
      日本大学
  • [図書] シロアリ ― 女王様、その手がありましたか2013

    • 著者名/発表者名
      松浦健二
    • 総ページ数
      120
    • 出版者
      岩波書店
  • [図書] シリーズ現代の生態学 行動生態学2012

    • 著者名/発表者名
      日本生態学会編
    • 総ページ数
      275
    • 出版者
      共立出版
  • [図書] シロアリの事典2012

    • 著者名/発表者名
      吉村剛他
    • 総ページ数
      471
    • 出版者
      海青社
  • [備考] 京都大学昆虫生態学研究室

    • URL

      http://www.insecteco.kais.kyoto-u.ac.jp/index.html

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公開日: 2014-07-24  

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