シロアリと卵擬態菌核菌の相互作用メカニズムの解明

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21687002
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 生態・環境
• 研究機関: 京都大学 (2012); 岡山大学 (2009-2011)
• 研究代表者: 松浦 健二 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40379821)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2012
• キーワード: シロアリ / 卵保護 / 菌核菌 / 進化

研究概要

本研究では日米のヤマトシロアリ属8種およびイエシロアリから見つかったAthelia属の菌核菌に加え、西表島において高等シロアリのタカサゴシロアリの巣内から全く別系統のTrechispora属の菌核菌を発見し、菌核菌によるシロアリの卵擬態は少なくとも独立に2回進化したことを明らかにした。また、シロアリの卵保護行動に関わるフェロモンの分析から、卵の揮発物質が女王フェロモンと共通の物質であり、卵保護において重要な機能を果たすとともに、二次女王分化抑制の役割を果たしていることが明らかになった。

研究成果

• [雑誌論文] Multifunctional queen pheromoneandmaintenance of reproductive harmony in termitecolonies (2012)
  • 著者名/発表者名: Matsuura. K
  • 雑誌名: Journal of Chemical Ecology 巻: 38(6) ページ: 746-754
  • DOI: DOI:10.1007/s10886-012-0137-3
• [雑誌論文] The lack ofchiral specificity inatermite queen pheromone (2012)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto,Y., Kobayashi, T. andMatsuura, K
  • 雑誌名: PhysiologicalEntomology 巻: 37(2) ページ: 192-195
  • DOI: DOI:10.1111/j.1365-3032.2011.00806.x
• [雑誌論文] Workers do not mediatethe inhibitory power ofqueens in a termite Reticulitermes speratus(Isoptera: Rhinotermitidae). (2011)
  • 著者名/発表者名: Matsuura, K.and Yamamoto, Y
  • 雑誌名: InsectesSociaux 巻: 58(4) ページ: 513-518
  • DOI: DOI:10.1007/s00040-011-0170-1
• [雑誌論文] Queen-specific volatile in a higher termiteNasutitermes takasagoensis (Isoptera:Termitidae) (2011)
  • 著者名/発表者名: Himuro, C. Yokoi, T. and Matsuura, K
  • 雑誌名: Journal of Insect Physiology 巻: 57 ページ: 962-965
  • DOI: DOI:10.1016/j.jinsphys.2011.04.012
• [雑誌論文] Queenpheromone regulates egg production in atermite. (2011)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto Y. and Matsuura K.
  • 雑誌名: Biology Letters 巻: 7(5) ページ: 727-729
  • DOI: DOI:10.1098/rsbl.2011.0353
• [雑誌論文] Identification of a pheromone regulatingcastedifferentiation in termites (2010)
  • 著者名/発表者名: Matsuura K., Himuro, C., Yokoi T.,Yamamoto Y., Vargo E.L. and Keller, L
  • 雑誌名: Proc. Natl. Acad.Sci.USA 巻: 107 ページ: 12963-12968
  • DOI: DOI:10.1073/pnas.1004675107
• [雑誌論文] Parallelevolution of termite-egg mimicry bysclerotium-forming fungi in distanttermitegroups (2010)
  • 著者名/発表者名: Matsuura, K.and Yashiro, T
  • 雑誌名: Biological Journal of LinneanSociety 巻: 100 ページ: 531-537
  • DOI: DOI:10.1111/j.1095-8312.2010.01444.x
• [学会発表] シロアリの女王が有性生殖卵と単為生殖卵を産み分ける仕組み (2013)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二・矢代敏久
  • 学会等名: 第57回日本応用動物昆虫学会大会
  • 発表場所: 日本大学
  • 年月日: 2013-03-29
• [学会発表] ヤマトシロアリにおけるコロニー内の産卵量調節機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 山本結花・松浦健二
  • 学会等名: 日本生態学会近畿地区会 2012年度第1回例会日本生態学会第一回例会
  • 発表場所: 滋賀
  • 年月日: 20120600
• [学会発表] シロアリの女王は卵門数を調節して有性生殖と単為生殖を使い分ける (2012)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二
  • 学会等名: 第28回個体群生態学会
  • 発表場所: 東邦大学
  • 年月日: 2012-10-20
• [学会発表] シロアリ類3種における女王フェロモンの同定、比較 (2012)
  • 著者名/発表者名: 日室千尋・横井智之・松浦健二
  • 学会等名: 日本応用動物昆虫学会
  • 発表場所: 近畿大学
  • 年月日: 2012-03-27
• [学会発表] シロアリの女王フェロモン物質の糸状菌に対する抗菌活性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 松永武・松浦健二
  • 学会等名: 日本応用動物昆虫学会
  • 発表場所: 近畿大学
  • 年月日: 2012-03-27
• [学会発表] ヤマトシロアリにおいて卵の不揮発性物質が二次女王分化に与える影響 (2012)
  • 著者名/発表者名: 内藤龍太・松浦健二
  • 学会等名: 日本応用動物昆虫学会
  • 発表場所: 近畿大学
  • 年月日: 2012-03-27
• [学会発表] シロアリの繁殖分化制御機構を探る:女王決定に関わる遺伝的要因とフェロモン (2012)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二
  • 学会等名: 日本農芸化学会
  • 発表場所: 京都女子大学
  • 年月日: 2012-03-25
• [学会発表] The origin and evolutionaryprocess of termite queen pheromone (2012)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二
  • 学会等名: 日本生態学会/EAFES
  • 発表場所: 龍谷大学
  • 年月日: 2012-03-19
• [学会発表] QueenPheromone in Termites (2012)
  • 著者名/発表者名: 日室千尋・横井智之・松浦健二
  • 学会等名: 日本生態学会/EAFES
  • 発表場所: 龍谷大学
  • 年月日: 2012-03-19
• [学会発表] Influence ofsymbionts on feeding behaviour in atermite (2012)
  • 著者名/発表者名: 山本結花・松浦健二
  • 学会等名: 日本生態学会/EAFES
  • 発表場所: 龍谷大学
  • 年月日: 2012-03-19
• [学会発表] シロアリのフェロモン同定と社会行動制御による応用への可能 (2012)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二
  • 学会等名: 日本農薬学会
  • 発表場所: 岡山
  • 年月日: 2012-03-14
• [学会発表] シロアリの女王フェロモンの特定が導く新たな社会システムの謎解き (2011)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二・山本結花・末廣亘・内藤龍太
  • 学会等名: 第55回日本応用動物昆虫学会大会
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 20110328-29
• [学会発表] 高等シロアリに属するタカサゴシロアリの女王フェロモンの分析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 日室千尋・横井智之・松浦健二
  • 学会等名: 第55回日本応用動物昆虫学会大会
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 20110328-29
• [学会発表] シロアリ女王フェロモンの多面的機能と進化プロセス (2011)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二・山本結花・末廣亘
  • 学会等名: 第27回個体群生態学会大会
  • 発表場所: 岡山大学
  • 年月日: 2011-10-15
• [学会発表] シロアリ類の女王フェロモン (2011)
  • 著者名/発表者名: 日室千尋・横井智之・山本結花・松浦健二
  • 学会等名: 第27回個体群生態学会大会
  • 発表場所: 岡山大学
  • 年月日: 2011-10-15
• [学会発表] 私がシロアリの社会を研究する理由 (2011)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二
  • 学会等名: 日本動物行動学会
  • 発表場所: 慶応大学
  • 年月日: 2011-09-10
• [学会発表] 2倍体生物における血縁度不均衡と血縁選択による性比バイアス (2011)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二
  • 学会等名: 日本動物行動学会
  • 発表場所: 慶応大学
  • 年月日: 2011-09-10
• [学会発表] 高等シロアリの1種タカサゴシロアリの女王フェロモンの分析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 日室千尋・横井智之・松浦健二
  • 学会等名: 日本動物行動学会
  • 発表場所: 慶応大学
  • 年月日: 2011-09-10
• [学会発表] ヤマトシロアリの単為生殖による女王位継承システムの進化的安定性 (2011)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二・山本結花・矢代敏久・日室千尋・横井智之
  • 学会等名: 第58回日本生態学会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 2011-03-10
• [学会発表] シロアリの女王特異的遺伝子発現と女王フェロモンの抑制効果 (2011)
  • 著者名/発表者名: 山本結花・渕側太郎・松浦健二
  • 学会等名: 第58回日本生態学会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 2011-03-09
• [学会発表] シロアリの女王存在情報のコロニー内伝達メカニズム (2010)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二・山本結花・日室千尋・横井智之
  • 学会等名: 第29回日本動物生態学会
  • 発表場所: 沖縄
  • 年月日: 20101119-20
• [学会発表] シロアリ卵の揮発性フェロモンの機能について (2010)
  • 著者名/発表者名: 日室千尋・横井智之・松浦健二
  • 学会等名: 第29回日本動物生態学会
  • 発表場所: 沖縄
  • 年月日: 20101119-20
• [学会発表] 女王フェロモンは女王自身の繁殖を抑制するのか (2010)
  • 著者名/発表者名: 山本結花・松浦健二
  • 学会等名: 第29回日本動物生態学会
  • 発表場所: 沖縄
  • 年月日: 20101119-20
• [学会発表] 社会性昆虫学の最前線:解き明かされる女王の秘密 (2010)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二
  • 学会等名: 日本応用動物昆虫学会中国支部・日本昆虫学会中国支部合同例会
  • 発表場所: 鳥取大学
  • 年月日: 2010-10-22
• [学会発表] 「シロアリの卵に化ける菌類の進化:フェロモンでシロアリをだます仕組み」(シンポジウム:昆虫科学研究の最前線 生態と化学) (2010)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二
  • 学会等名: 日本農芸化学会大会
  • 発表場所: 東京大学駒場
  • 年月日: 2010-03-30
• [学会発表] 「シロアリなんてこわくない:頭を使って害虫に克つ」(シンポジウム:応用昆虫学が拓く未来) (2010)
  • 著者名/発表者名: 松浦健二
  • 学会等名: 第54回日本応用動物昆虫学会大会
  • 発表場所: 千葉大学
  • 年月日: 2010-03-27
• [学会発表] ヤマトシロアリの女王の繁殖戦略 (2010)
  • 著者名/発表者名: 中野裕子・松浦健二
  • 学会等名: 第54回日本応用動物昆虫学会大会
  • 発表場所: 千葉大学
  • 年月日: 2010-03-27
• [学会発表] シロアリの女王フェロモンの特定 (2010)
  • 著者名/発表者名: 山本結花・日室千尋・横井智之・松浦健二
  • 学会等名: 第54回日本応用動物昆虫学会大会
  • 発表場所: 千葉大学
  • 年月日: 2010-03-27
• [学会発表] シロアリ卵の揮発性フェロモンの役割ー卵への定位と認識メカニズムー (2010)
  • 著者名/発表者名: 日室千尋・横井智之・松浦健二
  • 学会等名: 第54回日本応用動物昆虫学会大会
  • 発表場所: 千葉大学
  • 年月日: 2010-03-27
• [備考]
  • URL: http://www.insecteco.kais.kyoto-u.ac.jp/