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2010 年度 実績報告書

生体イメージングにより解析する体軸調律の細胞機能メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 21687004
研究機関東京大学

研究代表者

倉永 英里奈  東京大学, 薬学研究科, 講師 (90376591)

キーワードカスパーゼ / 細胞死 / in vivoイメージング / ショウジョウバエ / 外生殖器 / 器官形成
研究概要

左右非対称に器官形成を行う外生殖器の回転運動という、器官形成過程で詳細な記載の難しい制御メカニズムにどのようにして迫るのかが重要なポイントである。イメージング解析の結果、360度の正常回転の際に外生殖器を取り囲む細胞集団であるA8体節細胞において、発生の決まったタイミングで時計回りに一部の細胞集団が移動を開始し、一定のスピードで回転運動を行ったのちに、ちょうど12時間後に360度の回転を終えて停止することが明らかになった。
さらに詳細な解析を行った結果、外生殖器の周りを取り囲む細胞が、集団で同一方向に移動していることで回転を制御している様子が観察された。一方、移動している細胞のさらに周囲を取り囲む細胞層では、細胞の移動は観られず、一部の細胞が死んでいることが明らかとなった。この細胞死を抑制することで回転異常を示すことから、外生殖器の器官形成における細胞移動と細胞死の相関が示唆された。細胞死の回転への寄与を定量化するために、正常な個体と細胞死を抑制した個体で回転のスピードを比較したところ、正常な個体において観られる回転速度の上昇が、細胞死を抑制した個体では観察されず、一定の速度で回転して正常な個体と同じ時間経過で停止してしまった。この速度の上昇は、回転する外生殖器のさらに外側を取り囲む細胞集団の動きによって引き起こされることが、個々の細胞の追跡によって明らかとなった。加えてその外側の細胞集団の回転には細胞死が必要であり、細胞死が器官形成の完了と体軸形成に重要な働きを持つことが明らかになった(Kuranaga et al., Development 2011)。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Caspase signaling in animal development.2011

    • 著者名/発表者名
      Kuranaga E.
    • 雑誌名

      Dev Growth Differ.

      巻: 53(2) ページ: 137-48

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Apoptosis ensures spacing pattern formation of Drosophila sensory organs.2011

    • 著者名/発表者名
      Koto A, Kuranaga E, Miura M.
    • 雑誌名

      Curr Biol.

      巻: 21(4) ページ: 278-87

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Apoptosis controls the speed of looping morphogenesis in Drosophila male terminalia.2011

    • 著者名/発表者名
      Kuranaga E, Matsunuma T, Kanuka H, Takemoto K, Koto A, Kimura K, Miura M.
    • 雑誌名

      Development.

      巻: 138(8) ページ: 1493-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 生き物の「形」をつくる細胞死2010

    • 著者名/発表者名
      倉永英里奈
    • 雑誌名

      実験医学 増刊

      巻: 28 ページ: 1062-1068

  • [学会発表] Deciphering the physiological roles of caspase in vivo.2010

    • 著者名/発表者名
      Kuranaga, E., Miura, M.
    • 学会等名
      BMB2010
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [学会発表] In vivo analysis of cell death during organogenesis.2010

    • 著者名/発表者名
      Kuranaga, E., Miura, M.
    • 学会等名
      APRU Research Symposium 2010
    • 発表場所
      Kyoto
    • 年月日
      20101124-20101126
  • [学会発表] Apoptosis controls the speed of looping morphogenesis in Drosophila male terminalia.2010

    • 著者名/発表者名
      Kuranaga, E., Miura, M.
    • 学会等名
      Society for Developmental Biology 69th Annual Meeting
    • 発表場所
      Albuquerque, New Mexico, USA
    • 年月日
      20100805-20100809
  • [学会発表] 小さな生き物から学ぶ-からだの形づくりと病気のしくみ2010

    • 著者名/発表者名
      倉永英里奈
    • 学会等名
      BMB2010市民公開講座「広がる生命科学の世界-からだの形づくりから病気の克服まで-」
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-12-11

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公開日: 2012-07-19  

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