目的1)ロドプシンの輸送機構に関して、平成21年度に、その分子機構を調べるために、これらの過程に欠損のある変異体のスクリーニングを行い、複数のロドプシン輸送に重要と考えられる遺伝子を単離していた。平成22年度は、これらの遺伝子のうち2つについて特に詳細な解析を行なった。このうちの1つPIG遺伝子はGPI生合成に必要な遺伝子である。PIG遺伝子の欠損では、ロドプシンのトランスゴルジネットワークにおける選別に欠損があることが分かった。現在、選別に対してどのようにPIGが関与しているのかについて解析を行っている。また、もう1つの遺伝子dPobに関しても解析を行い、こちらは小胞体内でロドプシンのシャペロンとして機能していると考えられた。現在、dPobとERストレス応答との関係を解析している。これら2つに関して近日中に論文を投稿する予定である。 また、目的3)光感度調節機構としての色素顆粒運動の過程に関わる遺伝子を同定するために、この過程に欠損のある変異体のスクリーニングを行なった。興味深い変異体が複数得られたので、現在、その詳細な解析を初めている。
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