蛍光タンパク質は生物学研究において欠かせないツールとして用いられているが、その蛍光強度の増強はランダムな変異導入によって行われており効率化が求められてきた。本研究では、ランダム変異導入により蛍光強度を増強させた蛍光タンパク質の各中間変異体の立体構造を決定し、それらを比較することにより蛍光タンパク質改良の指針となる構造的特徴を見出した。蛍光強度の増強された変異体では、蛍光発色団の平面性の向上が見られ、主鎖のβストランドはより蛍光発色団に近づいて安定化に寄与していた。今後、現在構築中の計算機シミュレーションによる分子モデリングの系を用いた高輝度蛍光タンパク質の合理的なデザイン法の確立が期待される。
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