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2010 年度 実績報告書

ポリユビキチン鎖認識の構造生物学

研究課題

研究課題/領域番号 21687009
研究機関東京大学

研究代表者

深井 周也  東京大学, 放射光連携研究機構, 准教授 (10361792)

キーワードユビキチン / X線結晶構造解析 / シグナル伝達 / 生体分子 / 蛋白質 / 分子認識
研究概要

ユビキチン(Ub)は,酵母からヒトまで広く保存されたタンパク質であり,鎖状につながった複数個のUb(Ub鎖)がタンパク質分解のシグナルとしてはたらくことが一般に知られている.一方,最近になって,Ub鎖が,タンパク質分解以外にも様々な分子シグナリングにおいて重要であることが明らかになってきている.本研究では,Ub鎖と結合タンパク質との複合体の立体構造をX線結晶構造解析によって決定し,変異体を用いた機能解析によって,Ub鎖識別メカニズムを解明する.これまでに,我々は,Lys63結合型Ub鎖(K63鎖)に特異的な切断酵素や受容体とUb鎖との複合体の立体構造を決定し,その認識メカニズムを解明してきた.昨年度は,DNAの二重鎖切断修復に関わるヘリックス型のUb鎖受容体およびNF-κBシグナリング経路に関わるZnフィンガー型のUb鎖受容体によるK63鎖の認識メカニズムなどを報告した(Sato et al., EMBO J., 28,2461-2468, 2009 ; Sato et al., EMBO J., 28, 3903-3909, 2009 ; Yoshikawa et al., FEBS Lett., 583, 3317-3322, 2009).今年度は,Met1を介して結合したUb鎖(直鎖)に特異的なZnフィンガー型のUb鎖受容体を新たに発見し,この直鎖特異的なUb鎖受容体がNF-κBシグナリングの活性化に重要であることを明らかにした.さらに,直鎖との複合体の結晶構造を決定し,変異体を用いた結合アッセイおよびレポーターアッセイと合わせて,直鎖特異的な認識メカニズムを明らかにした(投稿準備中).また,DNA二重鎖切断修復において,Ub鎖伸長を抑制するタンパク質複合体の予備的な結晶化にも成功している.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Mechanisms for recognition of K63-linked polyubiquitin chains2010

    • 著者名/発表者名
      深井周也
    • 学会等名
      Pacifichem2010
    • 発表場所
      大阪大学コンベンションセンター(吹田キャンパス)
    • 年月日
      2010-12-19
  • [学会発表] 繋留複合体による膜融合制御の構造基盤2010

    • 著者名/発表者名
      深井周也
    • 学会等名
      BMB2010
    • 発表場所
      神戸ポートピアランド
    • 年月日
      2010-12-10
  • [学会発表] Znフィンガーによるユビキチン鎖識別のメカニズム2010

    • 著者名/発表者名
      深井周也
    • 学会等名
      平成22年度日本結晶学会年会
    • 発表場所
      大阪大学コンベンションセンター(吹田キャンパス)
    • 年月日
      2010-12-05
  • [図書] 細胞工学 29巻[特集]ユビキチン修飾系の多彩な機能2010

    • 著者名/発表者名
      深井周也
    • 総ページ数
      1231-1235
    • 出版者
      秀潤社

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公開日: 2012-07-19  

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