研究課題
若手研究(A)
Jmjd1aは、転写の発現抑制に関与するエピジェネティックな標識であるヒストンH3の9番目のリジンのメチル化修飾を外す酵素である。我々は、Jmjd1aのノックアウト(KO)マウスが肥満や糖脂質代謝異常をきたすことを発見して報告した。さらに、遺伝子発現解析を行うとともに、独自に作製したクローン化Jmjd1a抗体を用いてクロマチン免疫沈降とショットガンプロテオミクスを行った。その結果、KOマウスや新規に樹立した褐色脂肪細胞におけるJmjd1aの代謝関連標的遺伝子を明らかにし、さらにレトロトランスポゾンをコードする領域がJmjd1aによって制御されていることを明らかにした。プロテオミクス解析では、RNAプロセシングに関わるタンパク群やヒストン脱アセチル化に関与するSin3aとの複合体形成を認めたほか、Jmjd1aの翻訳後修飾を明らかにした。本研究結果は、ヒストンのメチル化変化が代謝制御に関わるという世界で最初期の報告に結実しており、さらに詳細な分子機構の解明に結びつくことが期待される。
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