研究課題
いわゆる「次世代シーケンサー」による塩基配列解析は、旧来のサンガー法と比べて1回の試行で生成されるデータ量が桁違いに多く、大幅なコスト削減が可能である反面、個々の解読長が短いために、その適用範囲が限られてきた。しかしGenome Sequencer FLXシステム(454 Life Sciences社)の解読長が、2010年の秋までにサンガー法と肩を並べる1000bp程度に改善されることになり、この問題は解消する見込みである。これを受け、以下のように研究計画を一部修正する予定である。1. 北米産Pachypsylla venustaに合わせ、日本産ミカンキジラミDiaphorina citriも解析対象に加える。2. トランスクリプトーム解析は、454社GS FLXシステムを用いたRNA-Seqにより行う。ミカンキジラミはP. venustaと異なり、一次共生細菌のカルソネラに加えて二次共生細菌も保有することから、キジラミ-カルソネラ間の二者関係とキジラミ-カルソネラ-二次共生細菌間の三者関係を比較するための絶好の材料となる。加えてミカンキジラミはカンキツグリーニング病を媒介する重要な農業害虫であるため、応用研究への展開が期待できる。本年度は、ミカンキジラミをトランスクリプトーム解析に供するのに先立ち、ミカンキジラミに由来するカルソネラ及び二次共生細菌の全ゲノム塩基配列を決定した。またカルソネラゲノムの進化過程を解析するための比較対象として、Pachypsylla属の他のキジラミ2種に由来するカルソネラの全ゲノム塩基配列も決定した。さらに宿主キジラミ自身の全ゲノム解析の可能性を検証するため、P. venustaのゲノムサイズを決定して論文発表した。
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http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2010/100223_2/