研究課題
本研究の目的は、花弁肥大成長の仕組みを明らかにし、つぼみからの花弁の成長つまり開花現象を解明することにある。さらにそのメカニズムを制御し、切り花などのつぼみから開花に至る過程を人為的にコントロールすることを目標としている。平成21年度はまず、シロイヌナズナの開花が遅延する変異体を用いて、花弁成長と相関が深い遺伝子の網羅的探索を試みた。しかし、変異体の形質が安定せず、目的の遺伝子を明らかにするのは時間が必要であると判断した。そこでシロイヌナズナを用いた網羅的遺伝子解析は次年度以降に行うこととし、本年度は当初の計画に従い、細胞壁のゆるみに関係する「エクスパンシン」と「XTH」の解析を進めることとした。まずトルコギキョウ花弁で発現するエクスパンシンとXTH mRNAを単離し、RNAi用のベクターに組み込み、アグロバクテリウム法によりトルコギキョウに遺伝子導入した。この組換えトルコギキョウでは、花弁特異的なエクスパンシンもしくはXTHのmRNA発現が抑えられている予定であり。現在栽培を続けている。今後開花に伴う花弁成長の変化を解析する予定である。また、エクスパンシンおよびXTHのリコンビナントタンパク質を大腸菌によって発現させ、精製を行った。これらリコンビナントタンパク質に対する抗体を用いて、次年度ではエクスパンシンやXTHの機能阻害実験などを試みる予定である。
すべて 2009
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