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2009 年度 実績報告書

サクラマス成熟雄の生理に影響を与える性フェロモンの解明

研究課題

研究課題/領域番号 21688016
研究機関東京農業大学

研究代表者

山家 秀信  東京農業大学, 生物産業学部, 講師 (40423743)

キーワード性フェロモン / 性ステロイド / サケ科魚類 / 尿 / トリプトファン代謝物
研究概要

サケ科魚類における雄の血中ホルモン量と精液量を増加させる性フェロモン(プライマーフェロモン)の存在は長年示唆されてきたが、コイ科の研究と同様にホルモナルフェロモン概念を踏襲しており、まだ誰もその物質を同定していない。サクラマスのプライマーフェロモンを同定すれば、既に同定済みの行動を誘起するリリーサーフェロモン(トリプトファン代謝物)と対を為すことにより、魚類における新たな性フェロモン機構とその多様性を示すことができる。そこで本研究では、サクラマスのプライマーフェロモンが排卵メス尿中に存在することを確認するため、様々な尿や排卵メス胆汁および体腔液に曝露された排精オスが示すプライマー効果をTestosterone(T)、11-ketotestosterone(11-KT)、17α,20β-dihydroxy-4-pregnen-3-one(17,20β-P)の血中濃度を測定することにより調べた。
T濃度がDW曝露群より排卵メス尿、L-キヌレニン曝露群において有意に上昇した。11-KTでは排卵メス尿曝露群がDW曝露群に対して有意に上昇し、またL-キヌレニン曝露群にも上昇の傾向が見られた。17,20β-Pの濃度は排卵メス尿、L-キヌレニン、未排卵メス尿において有意に上昇した。これらの結果から、サクラマスの排卵メス尿にはプライマーフェロモンが含まれており、L-キヌレニンがプライマーフェロモン物質である可能性が高いことがわかった。精液量には変化が認められなかった。
今後、本種におけるプライマー効果の意義について明らかにし、L-キヌレニンのプライマー効果についても精査する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] サクラマスの性フェロモンにおけるプライマー効果2009

    • 著者名/発表者名
      三原徹大・小倉隆平・山家秀信
    • 雑誌名

      日本味と匂い学会誌 16(3)

      ページ: 583-584

    • 査読あり
  • [雑誌論文] サクラマスで発見された性フェロモン「L-キヌレニン」2009

    • 著者名/発表者名
      山家秀信
    • 雑誌名

      生物科学 61

      ページ: 32-39

    • 査読あり
  • [雑誌論文] サケ科魚類における性フェロモンに関する研究2009

    • 著者名/発表者名
      山家秀信
    • 雑誌名

      日本水産学会誌 75

      ページ: 648-651

  • [学会発表] 「水産動物における生理現象と物質的基盤」サケ科魚類の性フェロモン招待講演2010

    • 著者名/発表者名
      山家秀信
    • 学会等名
      水産学会農芸化学会共催シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2010-03-30
  • [学会発表] ニジマスの性フェロモンの検索2010

    • 著者名/発表者名
      三原徹大・鈴木航・山家秀信
    • 学会等名
      日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      2010-03-29
  • [学会発表] サクラマスの性フェロモンに対するオスの行動レベルの経時的変化2010

    • 著者名/発表者名
      石井孝介・三原徹大・山家秀信
    • 学会等名
      日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      2010-03-27
  • [学会発表] 集群性を利用したブルーギルLepomis macrochirusの駆除手法の開発2009

    • 著者名/発表者名
      藤本泰文・高橋清孝・進東健太郎・山家秀信
    • 学会等名
      日本魚類学会年会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2009-10-10

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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