研究概要 |
今年度に実施した研究実績は以下の二点に集約される。 (1)農業経営統計における高度利用手法の検討 第一に、農林業センサスの実施年度別の調査項目を整理し、年度間リンケージによって複数年次を跨いで利用可能な項目の整理を行った。第二に、前年度に実施した、農家経済調査と農業経営統計の年度間マッチングの接続とこれらの母集団フレームである農林業センサスとのリンケージ方法の検討を行った。そして第三に、他省庁の複数調査のリンケージ実験の情報収集を行い、農業分野の適用可能性について検討を行った。その結果、事業所・企業統計調査の年度間リンケージあるいは法人企業統計調査と事業所・企業統計調査のリンケージ実験はかなり進展しており、産業別の結果をみると農業への適用可能性があることがわかった。以上の結果をふまえ、利用可能年度を調査し利用申請に着手した。 (2)民間統計も含めた農業経営統計の効果的な提供方式の検討(データアーカイブの検討) 目的外利用の申請の審査期間は、政府統計のデータを利用することはできないので、民間(農業関連団体等)において大規模に実施されている農業経営関連の調査の個別調査票のデータベース化を実施した。具体的には、1990年代初頭に民間団体によって実施された農家調査を収集し,データベースの構築を行った。これらのデータベースに対して、戦前期農業経営調査のデータアーカイブシステムも参考に、データアーカイブとしての構築に着手した。
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