本研究の目的は、統計法の改正をうけて、農業統計の調査票情報の高度利用に関する基盤確立を図ることである。対象となる農業統計は、農業センサスと農業経営統計である。具体的には以下の三点の研究課題を設定した。 第一は、農業統計の二次利用の実態把握、 第二は、農業センサスと農業経営統計のデータリンケージ手法の検討、 第三は、農業分野の民間統計も含めたデータアーカイブの手法の検討とメタデータの収集と整備である。本研究の遂行により、農業センサスと農業経営統計は、 1970 年代からの遡及された年度間リンケージと、農業センサスと農業経営統計との統計調査間のリンケージの手法が検討され、農業統計の高度利用の基盤を確立することができた。農業センサスについては、年度間リンケージの手法を活用してパネルデータを構築し、農業経営の経営者の交代が経営構造や経営行動に与える影響について分析を行った。
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