研究課題
本課題は、ほ乳類脳のエピゲノム形成に関わるnon-coding RNA (ncRNA)制御メカニズムとその種問多様性を明らかにすることを目的としている。本年度は以下の4点について明らかにした:1)ヒト、チンパンジー、マカクザル、マウス、ブタにおけるプロモーターへの偽遺伝子挿入頻度が種間で異なる(バイオインフォマティクス解析)、2)固定した挿入配列からはRNA転写がコード遺伝子に対しアンチセンス方向に起こる(前年度までのプロモーターアレイの結果をイルミナ社次世代シークエンス解析により精度を高めて検定)、3)挿入配列自体はプロモーター/エンハンサーとして、DNAメチル化した挿入配列はサイレンサーとして機能しうる(各種動物細胞レポーターアッセイ)、4)挿入配列由来promoter-associatednc RNA (pancRNA)とDNAグリコシラーゼの強制発現により、挿入配列を配列特異的に脱メチル化/遺伝子オンにできる(試験管内メチル化アッセイ)。以上より、偽遺伝子由来配列が遺伝子制御領域に種特異的に挿入されることで、種特異的pancRNAが獲得され、配列特異的DNAメチル化パターン形成を介して、種特異的遺伝子発現スイッチの獲得に至ることが考えられた。成果の一部は米国生化学会誌などに報告し、大学広報を通じた成果の発信にも努めた(「ほ乳類の遺伝子ONをRNAにより制御する」http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2011/20111005-1.html)。
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Journal of Biological Chemistry
巻: Vol.286 ページ: 34788-34799
DOI:10.1074/jbc.M111.275750
Journal of Steroids and Hormonal Science
巻: S2 ページ: 004
10.4172/2157-7536.S2-004
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2011/20111005-1.html