• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

E2Aの機能阻害による造血幹・前駆細胞の増幅及びその分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21689027
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

伊川 友活  独立行政法人理化学研究所, 免疫発生研究チーム, 研究員 (60450392)

キーワード造血幹細胞 / 自己複製 / B細胞 / 転写因子 / E2A / Id3
研究概要

我々はE2Aの転写抑制因子であるId3をマウスの造血幹細胞へレトロウイルスを用いて導入し、B前駆細胞の培養条件下で培養することによって造血幹・前駆細胞を生体外で増幅させることに成功した。この細胞をId因子を用いた造血前駆細胞という意味でId-induced Hematopoietic Progenitor(IdHP)細胞と名付けた。本研究ではIdHP細胞の自己複製能に着目し、この分子機構の解明に取り組むことを目的とする。
研究実地計画に従い、本年度はリンパ球、ミエロイド系細胞への分化能に限定されたIdHP細胞へ特定の遺伝子を導入することにより、赤血球/巨核球への分化能を誘導できるかどうか調べた。まず最初に、造血幹細胞の自己複製を誘導する因子であるBMI-1やHOXB4をレトロウイルスを用いてIdHP細胞へ導入した。これらの遺伝子に感染した細胞をソーティングしIdHP細胞と同じ条件で培養したところ、遺伝子導入した細胞はIdHP細胞と同様、顕著な増殖能を示した。次に培養系および移植による分化誘導系を用いてこれらの細胞の分化能を調べたところ、in vivoにおいてもin vitroにおいても赤血球や巨核球への分化能は遺伝子導入前とほとんど変わらなかった。ところが、BMI-1やHOXB4遺伝子を導入したIdHP細胞は巨核球系細胞のマーカーである、CD41を発現することが明らかとなった。このことはIdHP細胞の赤血球/巨核球系細胞への分化プログラムが活性化されていることを示唆している。また、IdHP細胞が造血幹細胞に近い、より未分化な前駆細胞へ誘導された可能性を示している。今後、遺伝子導入した細胞の培養条件に検討を加えることにより、IdHP細胞に赤血球/巨核球への分化能を付与できる可能性を示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Notch-Hes1 pathway is required for the development of IL-17-producing γδ T cells2011

    • 著者名/発表者名
      Shibata K
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 118 ページ: 586-593

    • 査読あり
  • [雑誌論文] T細胞運命決定マスター遺伝子の同定2011

    • 著者名/発表者名
      伊川友活
    • 雑誌名

      感染・炎症・免疫

      巻: 41 ページ: 81-83

  • [雑誌論文] 転写因子Bcl11bによるT細胞分化チェックポイント2011

    • 著者名/発表者名
      伊川友活
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 236 ページ: 846-866

  • [学会発表] Dissection of genetic programs during the T cell lineage specification process2011

    • 著者名/発表者名
      Tomokatsu Ikawa
    • 学会等名
      日本免疫学会
    • 発表場所
      幕張市
    • 年月日
      2011-11-27
  • [学会発表] T細胞からB細胞へのリプログラミング2011

    • 著者名/発表者名
      伊川友活
    • 学会等名
      第17回血液科学セミナー
    • 発表場所
      東京都(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-06
  • [学会発表] T細胞系列への決定における遺伝子制御ネットワークの解析2011

    • 著者名/発表者名
      伊川友活
    • 学会等名
      Kyoto T Cell Conference
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      2011-06-10

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi