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2011 年度 実績報告書

ランゲルハンス細胞ニッシェの同定とアンカリングポイントの解析

研究課題

研究課題/領域番号 21689032
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

永尾 圭介  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40286521)

キーワード樹状細胞 / ランゲルハンス細胞 / 毛嚢
研究概要

本研究課題では、表皮唯一の樹状細胞であるランゲルハンス細胞の前駆細胞を同定し(pre-LC)、毛嚢がこれらの細胞を動員する免疫機能を有することを明らかにした。毛嚢の免疫機能を明らかにしたのは本研究が初めてである。骨髄移植の系を駆使し、pre-LCがMLysozymeでfate mapしうる細胞であることを突き止め、これらの細胞は炎症に反応して表皮に動員されることが分かった。以前骨髄のGr-1high CD115high細胞がランゲルハンス細胞の起源として報告されたが、我々が同定した
pre-LCはこの細胞に由来することが分かった。Pre-LCは表皮に動員される際、ケモカインレセプターであるCCR2とCCR6を必要とし、CCR8を欠損するとランゲルハンス細胞の数がむしろ増加した。CAG-GFPマウスの骨髄をランゲルハンス細胞欠損マウスに骨髄移植し、テープストリップ刺激を受けた耳にGFP陽性の白血球が浸潤する様子を2光子顕微鏡で観察すると、pre-LCを含む骨髄系細胞は1時間以内に劇的に毛嚢に集積した。これは、毛嚢が骨髄系細胞を動員するメカニズムを有していることが強く示唆された。我々が発見した毛嚢マーカーであるEpCAMと既存のマーカーを利用し、毛嚢と表皮細胞を5サブセットに分離したところ、pre-LCの動員に必要なケモカインが異なる場所で発現していることが分かった。進行性に脱毛を来すTACE cKOマウス皮膚を利用し、pre-LCの復帰のためには毛嚢が必須であることを証明した。また、ヒト毛嚢内でもケモカインの発現は分担されており、ランゲルハンス細胞の維持には毛嚢が必須であることを示した。これらは現在投稿中である。また、本研究のためにTACEcKOを解析したが、これも独立した研究論文として投稿中である。本研究の流れで、ランゲルハンス細胞の液性免疫の機能を解析し、ランゲルハンス細胞は表皮タイトジャンクションの間から樹状突起を伸ばして細菌抗原を獲得し、液性免疫を誘導することを証明した。
この免疫応答は実験的ブドウ球菌性熱傷様皮膚剥脱症を予防した(Ouchi et al. JEM, 2011)。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Langerhans cell antigen capture through tight junctions confers preemptive immunity in experimental staphylococcal scalded skin syndrome2011

    • 著者名/発表者名
      Ouchi T
    • 雑誌名

      J Exp Med

      巻: 208 ページ: 2607-2613

    • 査読あり
  • [学会発表] Antigen capture through tight junctions by Langerhans cells confer pre-emptive immunity in experimental staphylococcal scalded skin syndrome2011

    • 著者名/発表者名
      Nagao K
    • 学会等名
      第36回日本研究皮膚科学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      2011-12-09
  • [学会発表] Langerhans cells confer pre-emptive immunity via antigen capture through tight junctions in experimental staphylococcal scalded skin syndrome2011

    • 著者名/発表者名
      永尾圭介
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会総会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県)
    • 年月日
      2011-11-27
  • [学会発表] Regulation of dendritic cell trafficking by hair follicles2011

    • 著者名/発表者名
      Nagao K
    • 学会等名
      12th International Workshop on Langerhans cells
    • 発表場所
      オーストリア(インスブルック)(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-02
  • [学会発表] 経皮免疫におけるランゲルハンス細胞の役割2011

    • 著者名/発表者名
      永尾圭介
    • 学会等名
      第39回日本臨床免疫学会総会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京都)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-17
  • [学会発表] Langerhans cells play an essential role in inducing protective humoral immune response subsequent to antigen uptake through tight junctions2011

    • 著者名/発表者名
      Ouchi T
    • 学会等名
      European Society of Dermatological Research
    • 発表場所
      スペイン(バルセロナ)
    • 年月日
      2011-09-07
  • [学会発表] 毛嚢による皮膚樹状細胞トラフィッキングの制御2011

    • 著者名/発表者名
      永尾圭介
    • 学会等名
      第32回日本炎症・再生医学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      2011-06-02

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公開日: 2013-06-26  

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