肝移植は末期肝不全患者に対する救命手段として本邦でも定着したが、臓器保存法はこの20年間、単純浸漬冷保存法のまま改善をみない。今回、定圧式経門脈/肝動脈灌流保存装置を開発し、保存中に臓器の状態を改善させる"Post-conditioning"効果を、IsolatedPerfused Rat Liverにて評価した。その結果、常温灌流保存は類洞壁細胞の保護効果が高い事が示唆され、更なる保存液の改良が必要ではあるものの、"Post-conditioning"法の実現可能性が示された。脳死移植は年々増加しており、臓器の長期保存法の開発は急務であるが、本研究はその一助となるものと考える。
|