本研究目的は、ワクシニアウイルスを用いたオンコリティック・バイオ治療の確立を目指す革新的な創薬研究であり、オンコリティック・バイオレスポンスを理解したワクシニアウイルスの開発、バイオイメージング解析システムの開発・整備・実用化を目指してきた。 平成23年度は開発してきた遺伝子発現制御遺伝子組み換えウイルスを用いて脳腫瘍制御に関する解析を進めた。腫瘍内細胞シグナルを制御することでウイルスによる腫瘍細胞死誘導が増強されることを同定した。また、脳腫瘍モデルを用いた解析システムを駆使し、ウイルスによる腫瘍制御メカニズムから腫瘍免疫応答が腫瘍細胞排除に重要な役割を示唆する知見を得た。生体内バイオマーカーの作製では、生体内バイオマーカーの開発では、レンチウイルスをベクターとして使用したルシフェラーゼ+EGFR活性型変異体(epidermal growth factor receptor vIII)の共発現ベクターの開発を進めているが、確立には至っていない。
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