研究概要 |
平成22年度の研究計画は、高度侵襲手術患者の血糖管理を人工膵臓で行い,人工膵臓による血糖コントロール中の血糖の変動を検討し、血糖のばらつきと患者予後、ケミカルメディエーターとの関係を検討することであった。 研究1;通常血糖管理と人工膵臓による血糖管理が患者変動・ケミカルメディエーターに与える影響を検討した無作為化比較試験を施行している。平成23年度も引き続き継続し、年度内の終了を目指している。 研究2;食道術後患者の血糖変動と術後ケミカルメディエーターの推移 計38名の食道術後患者において、6時間毎に血糖測定を10日間行い、長期的血糖変動と患者予後およびメディエーターとの関連を検討した。持続血糖測定は48-72時間の使用が限界であるため、この研究では使用していないが、将来持続血糖測定が長期間使用できるようになった際に重要なパイロットデータとなりうる。40名まで集積した時点で研究終了とし解析を行う。 研究3;糖尿病患者の術前血糖と術中・術後血糖の変動と予後の関係 糖尿病患者は、術前より高血糖を呈している。このような患者に急性期血糖管理を施行すると術前と比較して血糖が大きく降下し大きな変動が生じる。糖尿病患者におけるけ周術期の血糖管理の変動を検討し、予後との関連を観察する目的に、岡山大学病院に2009-2010に入室した患者の術中血糖値・ICU内での血糖値、および術前HbAlc値を集積した。現在解析中である。
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